拼多多(Pinduoduo:ピンドゥオドゥオ)とはどのような会社か

最高値を更新する株価

2018年11月20日時点で拼多多の株価は史上最高値を更新し、創業者である黄峥が保有する株式時価総額が1日にして17億ドル増加したことがメディアを賑わせています。

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団体購買というビジネスモデルで成長する拼多多

2015年9月に創業した拼多多は、2018年7月26日に上場。3年に満たない時間でここまで成長してきた彼らを一言で形容するのであれば、それは「スピード」ということになります。

拼多多の上場目論見書によると、GMV(Gross Merchandise Value:総流通総額)、ユーザー数、MOUの成長速度は中国ECプラットフォーム史上最速であるとのこと。

そして、その彼らのビジネスモデルは中国を代表とする発展途上国でお馴染みのSNS団体購買と呼ばれるものです。

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淘宝網(Taobao:タオバオ)ユーザーとの重複率は2018年末には80%まで上昇

拼多多上でユーザーは、他の複数ユーザーと協力して団体で同一商品を購買することにより、単独で購買するよりも高いコスパを享受することができます。ユーザーはそのメリットを感じれば感じるほど、自分の周りにいる友人・知人などを拼多多プラットフォームに呼び込むことになります。翻って拼多多側からすると、その結果として単一購買モデルのECプラットフォームよりも高速でユーザー数を伸ばしていくことができます。

現時点でタオバオユーザーとの重複率は40%を超えてきており、このペースでいけば2018年末にはそれは80%に達すると見込まれています。

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競合の多くが単なる安売りに走る現状

SNS団体購買モデルは実はそれほど新しいわけではありません。従来の単独購買型大手ECプラットフォームやリアル小売店舗である、タオバオ、京東、蘇寧電器なども団体購買アプリを中国の消費者に提供しています。

しかし、彼らは従来型ECプラットフォームの知名度を利用して、「団体購買」という名の下に新しい安売り型ECプラットフォームを提供しているに過ぎません。

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拼多多が狙う差別化戦略とは

アルマーニやカルティエ、ジバンシーに至るまで

現在、中国政府が打ち出したECプラットフォームの是正方針に従って、各社は自社のプラットフォームについて、その体験の品質を向上させることを至上命題としてしのぎを削っています。その差別化の一つとしてリアル店舗における実体体験を重視する企業が激しい競争をしていることは「中国ECプレーヤー間で本気のオムニチャネル戦争が始まる」で示した通りです。

一方で、拼多多はSNS団体購買モデルとして、新しい領域のコストパフォーマンスの提供に舵を切っています。ハイブランド領域における団体購買サービスの提供です。

拼多多の”ブランド館”では既にアルマーニやカルティエ、ジバンシーなどの、世界的に知名度のあるハイブランドの商品が陳列されており、団体購買することが可能です。価格が高い商品であるだけに、団体購買時のメリットはその他大衆型商品よりも大きいことが特徴で、消費者への魅力となっています。

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成長を支える拼多多の巨額R&D投資はAIに

アリババのクレドは「顧客第一、従業員第二、株主第三」というものですが、拼多多のそれは「顧客第一、消費者至上主義」です。顧客体験の向上にフォーカスをあてた経営を目指しています。

拼多多の2018年第3四半期のIRによれば、当期におけるR&D投資は3.3億元(約53億円)で前年同期比で+828%、前期比で+80%と猛烈な勢いで増加しています。その内容はAIを活用した、個別消費者に最適化されたレコメンデーションエンジンの開発・改善に充てられているのことで、拼多多が飽くなき顧客体験の改善を追求していることが数値面からも分かります。

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AIエンジンの開発については世界中のパートナーと協力関係にあり、また創業者である黄铮自らがリードしているとのことで、日本の学術系企業やベンチャーなどとの接触の可能性も否定できません。むしろそうあって欲しいものですね。

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