16年前、陸歩軒は北京大学を卒業したにも関わらず豚肉屋になったということで世間の話題になりました。社会に優秀な人材の活用についての論議を巻き起こしたという訳です。

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彼は、その後地方档案馆(戸籍管理をする公的機関)に12年勤めることになりましたが、50歳になった彼は再び共産党体制から飛び出し、広州に下り、北京大学時代の先輩である陳生創とともに地元の豚を販売する会社を立ち上げ、再びその手で刀を握ることになったのです。

彼は、「读书人里最会卖猪肉,卖猪肉里识字最多(大学卒業生の中で最も豚肉を売り、豚肉屋の中で最も博学だ)」というタイトルでショートムービーを配信しています。

私はまだ社会からの注目を受けています。それは私がこの仕事をしているからでしょう。知識やロジックを使ってこの業界を少しずつ変えていっていることも理由かもしれません。いずれにせよ、私はただの肉屋に過ぎません。

駅前にある彼の店では、赤いLEDの光で演出されています。彼の会社では、朝から活動を始めます。彼が経営する肉屋や、その肉屋が存在する駅前の市場の様子などをショートムービーにまとめて放送するのです。それもあって人々はやってきます。「ここが、あの北京大学生の肉屋か?」と。

十数年前、彼に取材したテレビ局のアナウンサーが再びマイクを向けます。

もし豚肉屋でない人生があるとしたらそれは何ですか?牛肉屋ですか?

彼は落ち着いた様子で、手に持っていた扇子で前方に釣ってある肉塊を指し示して、

人生の半分を過ぎて分かりました。何をするかはあまり重要ではありません。重要なのは、していることに一生懸命であること、愛すること、続けることです。これができれば何でもできるのです。

彼がかつて大学卒業後に描いた青写真は社会から抹殺されました。北京大学生が肉屋をやって成功することで、知識分子の軽薄さを訴えるという彼の想いは若さ故に潰されたということになるのかもしれません。

それでも彼は帰ってきたのです。当時の写真で彼は片手にタバコを持って鋭い眼光で周囲を威嚇しているように見えます。今でもタバコと白酒は欠かせないという彼のカムバック。なかなか味わい深いと思いませんか?