中国アリババの”タオバオ村”モデルが東南アジア各国で貧困脱出の突破口に

当ブログでも中国の農村が淘宝網(Taobao:タオバオ)等のECを含めた巨大インターネットメディアを活用することで活気を取り戻す事例を紹介しています。このようなモデルは”タオバオ村”と呼ばれていますが、このモデルが海外に輸出され始めています。

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東南アジアの貧困村を積極的に支援するアリババグループ

その原動力となっているのがタオバオも運営する阿里巴巴(Alibaba:アリババ)グループ傘下で東南アジアにおけるECプラットフォームのリーダーでもある”Lazada”です。

2019年4月にLazadaマレーシアの起業家であるAnna Teoは中国浙江省杭州市のアリババ本部で行われた起業家支援プログラムに参加しました。”世界電子貿易平台(eWTP)”がパートナーとして支援するトレーニングプログラムで、アリババが提唱して実施されたものです。PFIやインキュベーション、デジタル基盤づくりなど、中小企業の経営者や若者に対して恩恵のある内容となっています。

トレーニング期間の中で、参加者たちは中国浙江省臨安市にある白牛村を訪問しました。白牛村の村民は2007年からタオバオを通して特産品である桃などの商品を積極的に販売してきました。10年以上経った今、村人の平均収入はかつての3倍に達しています。このようなタオバオ村は既に中国に4,000ヶ所以上あると見られています。

”猫山女王”の異名をとるAnna Teoは、マレーシアのDaerah Bentong地区にあるドリアンを生産する村落の発展を支援してきました。彼女はこのドリアン村に”タオバオ村モデル”をコピーしようと考えているのです。

Daerah Bentong地区は首都クアラルンプールから1時間程度の距離にあり、ドリアンや生姜、醤油、落花生などの特産品を特徴としています。彼女はこのプロジェクトを”DESA(村落)”と命名し、今回のプログラムの成果を持ち帰ることになりました。

杭州からマレーシアに戻った後、4人の華人起業家はDaerah Bentong地区を巡回、視察した結果、この村が将来大きな成果を手に入れる可能性を秘めていると分析しました。

2019年6月にDESAチームはアリババの支援を受けたことで、マレーシアの科学技術者を惹きつけ、強いてはマレーシアデジタル発展局(MDEC)の関心を得ることができました。MDECはDESAを支援する目的で、貿易工業部と商業銀行である”May Bank”を紹介するに至りました。

現在DESAは現地の特産物をLazadaの棚に上げる最終段階に入っています。そして、そのターゲットは中国のお祭りとなった”双11(ダブルイレブン)”に向けられています。

このような動きはマレーシアだけでなく、タイなど東南アジア各国で広がっています。タイではMITやハーバードで学問を修めた3人の研究者が、貧困撲滅に関する研究で2019年のノーベル賞を獲得しています。

世界中の貧困にあえぐ村落に”タオバオ村”モデルが輸出されようとしています。非常に面白い動きであると思います。日本の消滅村落などでも参考になる事例ではないでしょうか。こういった目的で杭州市に向かう若者たちはなぜ現れないのでしょう。

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