中国国慶節休暇で見られた消費行動の変化、「メンツ、QoL, 健康」
中国の10月1日は「国慶節」、日本で言うところの建国記念日に当たり、一週間程度の休みをとることが一般的です。この休日は消費の黄金週間でもあります。2019年はどのような状態だったのか、阿里巴巴(Alibaba:アリババ)などのデータから紐解きます。
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人生を全力で楽しむ中国人のライフスタイルが顕著に
2019年10月1日から3日にかけて、エッセンシャルオイルの取引量が前年比で約240%増となりました。また、香水が約51%, 男性用のメイクアップ商品は約70%, 同じく男性用の日焼け止めが約80%の伸びを見せました。中国では生活必需ではない嗜好性の強い商品は”メンツ商品”と呼ばれていますが、こういった商品が伸びてきていることがひとつの特徴です。
長期休暇中には家族や友人と食事をすることも多くあります。アリババが運営するECプラットフォーム天猫(T-Mall)では、のべ300万人に「国酒」とも呼ばれる白酒ブランド茅台(Moutai:マオタイ)が販売され、白酒全体としては前年比で12倍の消費がなされたとのことです。
出前プラットフォームである”餓了么”によると、休暇中にホテルを利用しつつ、ホテルから出前を呼ぶというスタイルが流行しているそうです。上海名物である生煎(焼きまんじゅう)を例に挙げると、1日から3日の間でのべ11万人が注文をしたそうです。
家庭の質の向上をはかる、もっと言えば家事から解放してくれる商品も人気でした。サーキュレーターは前年比で111%の伸びを示し、電動カーテンは同168%, 家庭用の監視カメラシステムは同84%, 掃除ロボットは同23倍と爆発的な売れ行きとなりました。
海外旅行、越境での商品購買など、クロスボーダー取引も増えており、同じ3日間の中で34%伸びました。アリババが提供する越境ECプラットフォームである天猫国際(T-Mall Global)での人気商品は日本、アメリカ、韓国だそうです。
海外旅行については4時間で行ける東南アジア方面に人気が出ている一方、中国国内での旅行も伸びており、前年比で42%増となりました。北京、上海などの一級都市に住む人々が三級以下の都市で楽しむ事例が増えているそうで、行き先は四川省や雲南省の麗江や大理、西安などとなっています。
また、中高年に関しては”健康消費”も増加しており、ハイエンド医療を兼ねた旅行、いわゆるメディカル・ツーリズムへの需要も増加しています。健康に配慮しつつ、自らも楽しみ、家族にお土産を買って帰るため消費行動もついて回ります。
中国人の人生を楽しむパワーはまだまだ健在のようです。