2019年10月23日、阿里巴巴(Alibaba:アリババ)の創業者であり9月まで董事局主席の座にあった馬雲(Jack Ma:ジャック・マー)が”2019年国際校長連盟大会”のキーノートスピーチの場で、50カ国1,500名の小中学校の校長や教育者を目の前にして彼の持論を展開しました。

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中国の教育に実際に携わった彼だからこそ言える言葉の数々

ジャック・マーは今年の教師節(先生の日)にアリババの董事長の座を正式に降りました。彼がこれからの人生を”教育”に捧げることは既に日本人にも知られています。司会が彼を紹介する際に、

こちらの方については今更紹介する必要もないでしょう。彼は様々な肩書や呼称をお持ちです。しかし、彼が最も好きな呼ばれ方は「マー先生」でありましょう。

と述べたことは彼の想いや世間の期待を象徴しているとも言えます。この大会期間中にも、教育の現場を離れて30年が経つものの、教育分野をサポートするという想いについては一貫して持ち続けており、

教育は自分のこれからの人生において最も重要な仕事です。自分が選んだ仕事をするということはとても重要なことです。自分にとって世界で最も重要と思える仕事こそ、教育なのです。

私は今、人生で最も一度に多くの校長先生方と対面しています。思い起こせば小さい頃、校長先生はとても怖い、畏れるべき相手でした。今日は多分、あまりよく眠れないでしょう。

一人の教師は数百人の学生、子どもたちの人生に影響を与えます。そして、一人の校長先生は数百人の教師の人生に影響を与えます。

優秀な校長先生とは優秀なリーダーでなくてはなりません。校長先生の最も重要な責任とは、教師の皆さんに希望をもたせ、前途を展望させ、学生たちの人生を豊かにしていくことを最大限にサポートすることなのです。

彼は、以前の工業中心の時代と現在のデジタル社会を比較します。前者は知識が、後者では智慧がドライブしていく社会と言います。現代社会では想像力と創造力が競争の源となるのです。

もし工業化社会に必要とされた教育のあり方を標準化して拡大していったとしても、現代における人々を”聡明”にすることはできません。”智慧”、すなわち個性的であること、特色を打ち出すことを新たに加えていかなければなりません。

AIは教師をテストの添削する作業から解放していきます。インターネットが知識についてはサポートしてくれます。教師は学生たちに知識を教える必要はなくなります。その一方で、洞察力やリーダーシップ、友愛精神についてはAIが教えることはできません。

ジャック・マーはかつて、中国の農村地区において教育の仕事に携わった時に、教師の離職理由の60%が校長先生との人間関係の悪化によるものだということを目の当たりにしました。

校長先生はCEOなのです。リーダーシップを持たなければなりません。全ての教師に対して、CEOがスタッフにするように、自分よりも尽くしていかなければなりません。

ジャック・マーの人間愛に溢れる言葉ですね。