中国人から見て、日本のおもてなしには一目を置くところである、と日本人の大半は感じているはずです。確かにそうであるなと思わされることも身の回りでは具体的に起こっています。一方で、本当にそうなのかな?と思わされる事象があることも事実です。

寺村の妻は中国人ですが、彼女が友人2人(どちらも中国人)を連れて新宿のとある大型飲食店に入った時に起こったことを紹介します。

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新宿の大型飲食店で中国人客が遭遇した日本の非合理的なサービス

彼女たち3人はそれまで新宿の街でショッピングを楽しみ、歩き疲れて19時頃に夕食をとるつもりでその店に目をつけました。非常に有名な大型店で、その時間で既に40分待ちでした。日本在住の3人ですが、近くに適当な店を見つけるほどの融通を発揮することができない彼女たちは、疲れていることもあって席が空くのを待つことにしました。店内に椅子が用意されており、そこに待ち行列の順番で座るかたちです。

さて、彼女たちはショッピングに夢中でそれまで水分を補給しておらず、冬の乾燥した空気も相まって喉が非常に乾いていました。そこで、店内にいるスタッフを呼び、水が欲しいことを伝えました。

しかし、スタッフからは「お水をお出しすることはできません」とのことでした。そこで彼女たちは「お金を払うので飲み物を注文させていただけませんか」と交渉しました。が、スタッフの答えは「それもできません」とのこと。

さすがに3人も一度は諦めたのですが、30分ほど経過したところで、もう我慢ができなくなり、再度「お水をもらえませんか」とスタッフに伝えました。ここは店内なので、ペットボトルを買ってきて店内で飲むこともできそうにはありません。たまりかねたスタッフは「分かりました」と答え、お水を持ってきてくれました。

3人は安堵しました。が、話はここで終わりません。「例外的にお水をお出ししますが、みなさんがお水を飲んでいる状況については私が立ち会います」とスタッフは言います。3人はもちろん意味が分かりますから、スタッフの監視(?)の前でお水を飲むことになりました。

日本のお冷は名前の通り非常に冷たい状態で出てきます。中国人は冷たい水にはあまり慣れていません。しかし、3人も日本人スタッフが言っている意味は分かりますし、彼女にずっと見させてゆっくりと飲むということも当然恥ずかしいことで、できません。なので、一気に飲むことになりました。

その後、席が空いて、彼女たちも食事ができましたが、3人のうち1人は冷水を飲んだためか、お腹を壊してしまったそうです。

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同じようなことは中国では起こらない

中国の有名な火鍋屋チェーンの海底捞では待っているお客さんに対して、ネイリストがサービスをしたり、マッサージチェアを提供したり、水はもちろんのことソフトドリンクの提供なども無料で行われます。

海底捞ではないにせよ、一般のお店でも本当に待っているお客さんが困っていたら例外的な処理でも善意から提供されるのが一般的です。

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平均値は高いが例外処理が苦手な日本

平均的に良いサービスを提供するものの、例外処理については理不尽なほど応じない日本のサービスと、サービスの平均的な品質が低いものの、例外的なサービスについては気にせずに提供する中国のサービス。

そして、中国のサービスの平均値は、スマートフォンが煩わしい処理を代替してくれることにより、人間がサービスの質に注力できるようになった結果として上がり続けてきています。

日本のサービスの平均値は…むしろ下がってきているような肌感覚すらある中で、皆さん、この一つのケースをどう捉えますか?

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