担任する生徒を人質に親御さんにマルチ商材を販売した先生に見る中国受験戦争の影

中国も日本と同じく夏休みです。生徒たちにとっては愉快な季節。しかし、その夏休みを前にして、生徒を人質に親御さんたちにマルチ商材を販売する先生が現れました。

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告発するまで半年以上かかった背景に中国の受験戦争の影

2019年6月25日、日本と同様に中国でも夏休みが近づいた頃、江蘇省塩城市解放路小学校の四年生におけるあるクラスに属する生徒の親御さんと先生が参加する微信(Wechat:ウィーチャット)グループにおいて、一人の親御さんが下記のようなポストを行ったことがきっかけで事件は起こりました。

呉先生、あなたは学校の先生ですかそれとも販売員ですか?少しは先生らしい徳を期待してはいけませんでしょうか。子どもたちに対してマイナスの影響があることはやめていただけませんか。

この書き込みの直後、学期末であるということを理由にこのチャットグループは解散させられました。

ことの始まりは2018年9月頃、呉先生は上述したクラスの数学を教えていました。ある生徒の親御さんによると、学期が始まってすぐに呉先生から、あるマルチ商法的な商品販売グループの会員になることを求められたとのことです。不審に思った彼女はその後、呉先生からの電話やWechatには返事をしなかったところ、旦那さんにまで電話がかかってきたそうです。

電話の内容に子どもたちの勉強に関する内容は一切含まれず、すべて商品に関わるものでした。結果として私たちも1ヶ月間の会員になりました。

家族によると、呉先生の数学を教えるレベルは非常に高く、評判も良かったたのですが、さすがに抱き合わせの商品販売を受け入れることはできなかったそうです。子どもたちは家に帰ると家族に対して呉先生の新商品についての説明を行い、食べることで成績がよくなるとまで言っていたとのことです。風邪に効くと謳われていた飲み物は一瓶で300〜400元(約4,800〜5,400円)もしたそうです。

メディアの調べによると、呉先生の販売していた商品は会員制であり、入会金の代わりに初回で800元(約12,800円)分の購入が必要となり、その後毎月300元(約4,800円)以上を購入することにより会員権利が留保される仕組みでした。

生徒の家族たちはWechat上でチャットグループを立ち上げ、話し合いを進め、6月25日に呉先生が含まれるクラスのチャット上で意見をすることとなったのです。

家族によれば呉先生の商品を購入していた生徒は30名に及び、おのおのの家族が毎回負担していた金額は数百元から多いところでは数千元というところもあったそうです。そして、驚くことに購入していたのは生徒だけでなく、同じ学校で教鞭を振るう先生にも購入していた人がいたそうです。

2017年に改定された中国”直販管理条例”の第十七条には「教師は直販員になってはならない」と明確に規定がなされています。しかし、2019年6月になるまで、呉先生の違法行為は市の教育主幹部門にも市場管理部門にも通報されていませんでした。家族が呉先生にその行為をWechatで問いただした同日に塩城市教育局は調査に乗り出したとのことです。

解放路小学校の王遠庸校長は、

彼女はWechatの中で商品情報のシェアをしていただけであり、その商品が気になった家族は自らの意思で購入をしたものです。呉先生は家族たちと商品販売のことで直接接触したことはありません。

と開き直っています。

中国の教育環境は苛烈です。良い先生に教えて貰おうとするあまりに生徒の親御さんたちが歩み寄る、その結果として違法行為と知りながら先生が販売する商品を買ってしまう。そういった悪循環があったのかもしれません。

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