中国版TiktokのアカウントがSNS上で違法売買されるわけ

抖音とは字節跳動(ByteDance:バイトダンス)が提供するショートムービーアプリで海外版がToktokとして広く知られています。この抖音アカウントが腾讯(Tencent:テンセント)のSNSアプリQQのグループで販売されており、実際に買い手もついて活発に取引が行われています。

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QQ上で大量に取引がされる抖音アカウント、実態は違法

3万人以上のフォロワーを持つ抖音アカウントお譲りします。安心・安全の取引ができます。

抖音アカウント大量にあります、DAU1万人。分かる人だけ来て下さい。

抖音をお譲りします。女性比率が80%。1.9万人のフォロワーがついています。実名アカウントではありません。

QQ上で抖音アカウント販売に関するキーワードでグループを検索すると、70ほどのグループが該当し、それぞれのグループにおいて500〜2,000人ほどがやり取りをしている状況が確認できました。

抖音には”ユーザーサービス協議”という規則があり、その中で如何なるかたちでもアカウントの贈与、貸与、販売、他人へ使用させることなどを禁止しています。しかし、現実は前述したQQ以外にも百度(Baidu:バイドゥ)などのSNSプラットフォーム上で大量にアカウントが取引されているのです。

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1人が3〜6アカウントを運営、版権を無視した画像付きテキストで育成

ある企業は2018年の5月頃まで图文アカウントの大量卸売販売を行っていました。当時、图文は公式にアカウントの売買を禁じてはいませんでした。

基本的には無許可による二次利用の画像付きテキストを掲載してアカウントを育てていました。

この会社は20人以上のスタッフが在籍し、各自が3〜6のアカウントを受け持ち、版権を無視したコンテンツの二次利用によってフォロワーを増やし、アカウントを育成していたそうです。画像付きテキストコンテンツは視聴者も多い上に編集時間が短いためアカウント育成の効率が高いことが理由のようです。コンテンツは化粧品、ファッション、育児など主に女性向けが中心であったそうです。

ひとつのコンテンツで数万のいいね!を獲得する、もしくは1週間で7〜8万のフォロワーを獲得することができれば、そのアカウントは継続育成対象となり、達しなかった場合にはそこで育成をやめるという判断がなされていました。

そして育成されたアカウントについてはSNSのグループ等で売りに出されます。また、育成の後期においてアフィリエイト広告収入が得られる段階になったアカウントについては更に高い価格で販売されることになります。

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抖音の規則変更により取引市場は縮小へ

買い手の多くは阿里巴巴(Alibaba:アリババ)が提供するECプラットフォームである淘宝網(Taobao:タオバオ)などで商品を販売する個人商店です。彼らは潜在顧客に対して大量に広告投下を行う必要があるのですが、既に大量のフォロワーを持つ抖音アカウントを購入することによって、同様もしくはそれ以上の効果を狙うわけです。

そして、抖音の以前の規則では、EC広告に関する広告を出す場合には100万以上のフォロワーがいることが条件となっていたため、個人商店のオーナーたちは自分で育成するよりも、既に育成されたアカウントを購入していたのです。

しかし、現在の抖音の規則では、800人のフォロワーと、10以上のコンテンツの配信実績、そして実名認証の3つの条件をクリアすればEC広告を出稿することができることとなりました。

販売されている抖音アカウントは10万フォロワーで5,000元(約8万円)程度かかります。100万フォロワーをクリアしようとすれば80万円かかったということになります。しかし、抖音のEC広告ハードルが下がったことによりこの金額を出してアカウントを購入することにはあまり意味がなくなり、違法取引の数も減ってきているようです。

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