中国動画サービス楽視(LeTV)が償還期限の負債の返済失敗、深セン市場上場停止処分リスクが高まる

2018年度巨額の赤字を経常している楽視(LeTV)ですが、120億元に昇る負債の償還圧力がかかっています。2015年の記事では非常に好調でBATからも注目されていたLeTVが苦境に陥っています。

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中国深セン市場上場廃止リスクについて

2019年4月9日、深セン市場に上場するLeTVは北京にて2019年次の第1回臨時株主総会を開きました。董事長の劉淑青、CEOの張巍を含めLeTVのトップマネジメントも出席し、上場廃止リスクと債務超過状態の解消についての見立てについて報告を行いました。

まず、深セン市場創業版の上場廃止リスクについてですが、2018年の決算が債務超過状態で確定した場合、暫定的な上場停止処分が下される可能性が高く、更に2019年に”創業版株式上場規則”に基づいた上場停止処分解除条件を満たさない場合には市場から上場廃止とされるリスクが極めて高いとのことです。

債務超過状態を作り出している負債についての状況ですが、2018年12月31日時点で流動・固定負債の総額は約120億元(約1,920億円)であり、その中にはサプライヤーに対する買掛金34億元も含まれています。

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創業者が米国に逃亡

2017年に天津嘉睿汇鑫企业管理有限公司から借り入れた元本13.2億元が償還期限を向かえる以前に、2019年2月時点で既に償還期限を過ぎた負債額20.8億元をも抱えている中で、前任者のCEOは8ヶ月で辞任、創業者である賈躍亭も中国証監会から異例の帰国勧告が出ているにもかかわらず米国に留まるなど、混迷を極めています。

优酷(Youku)や爱奇芸などと肩を並べて、動画プラットフォームのトップを走っていた楽視ですが、海外企業M&Aも含めた無謀な拡大策は失敗に終わったと言えるでしょう。中国は2018年末から旧来型企業だけでなく、インターネット企業もリセッションに入っており、明暗が分かれる状態が続いています。

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企業の継続性に対して希薄な意識と上場ゴールリスク

穿った見方をすれば上場ゴールにも見えます。中国企業の中で百年企業的な考え方を本気で持っている経営者は多くありません。上場とともに株を放出もしくは第三者へ譲渡し、結果として経営者が交代するケースも見られます。中国企業と付き合う場合には、人と人との関係で信頼関係を築くことが普通ですが、突然その脈が途絶えてしまうリスクにも注意すべきです。

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