1991年の創業以来、珠海市の国有資産監督管理委員会(SASAC:国資委)の傘下にある格力集団に所属してきた、すなわち地方国有企業として存在してた空調の雄、”格力電器(Gree:グリー)”ですが、2019年4月8日に格力集団が15%の持ち分を売却することを公告に発表し、大きな話題となっています。

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格力、実は国有企業

格力集団は珠海市国資委が100%を保有するいわゆる地方国有企業グループであり、その格力集団は現時点で格力電器の18.2%を保有する筆頭株主です。そのうち15%を売却するとなると、持ち分は3.2%となり持ち分序列で10番目程度まで下がります。

結果として現時点で2番目に多くの格力電器株式を保有する河北京海担保投資有限公司(持ち分は8.9%)が筆頭株主となる可能性が高まっています。この会社は、格力電器の主要な販売店(ディーラー)の大株主でもあり、事業上での重要なパートナーでもあります。

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現董事長やフォックスコンが引き受け手になるという噂も

市場では他にも、近年珠海エリアに大規模な投資を継続的に行っている富士康(Foxconn:フォックスコン)が引き受け手となるかたちで水面下で話が進んでいるという噂や、現在の格力電器董事長兼総裁の董明珠が前述した河北海京担保と組んで引き受けるかたちになるのでは、との憶測もあります。後者の場合、現時点で9.7%を保有していることから、更に15%を買い増すことによって24.7%まで増やすことが可能です。

格力電器の時価総額は約2,840億元で、15%となると426億元は安くありません。珠海国資委と格力集団は従来から国有比率を下げることを考えており、それに従った今回の動きとなりますが、約6,800億円という大規模な投資に対して誰が名乗りを上げるのか、注目されます。

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優遇される国有企業だったが、一部的に民営化を進めていく動き

中国において国有企業は避けては通れない相手です。中国政府から土地などの権益についての情報を先に入手することができるため、民間企業に対して有利な条件で事業を進めることができます。一方で、管理体制が旧態依然で意思決定の構造が複雑でスピードが遅く、体制変更が激しいなど、日本企業にとっては付き合いづらい部分が多いことも事実です。

近年、”国進民退”と言われ国有企業に有利な政策がとられてきましたが、ここ数年は国有企業の一部について民営化を進める動きが出始めています。国有資産監督管理委員会は国有企業の母体そのもので、実際に企業に投資を行うことで企業を国の資産としています。この国資委が保有する企業の株式を売却することで民営化が図られます。今回の動きもその一連の施策に裏付けられたものです。

国資委(SASAC)についてはこちらに。

格力(グリー)についてはこちらへ。

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