中国旅行大手CtripがQ2決算で急成長維持、日本のインバウンド関係者の奮起に期待

2019年9月10日、中国インターネット旅行大手の携程(Ctrip)の2019年第2四半期の決算報告が発表されました。それによると、Ctripの売上は87億元(約1,392億円)で前年比で19%の成長、営業利益は13億元(約208億円)で同84%成長となりました。

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国際化がCtripとしての重要なKPI

一方で純利益は4億元(約64億円)の損失となり、2018年の同時期における24億元から大幅に下降しました。Ctripは13億元ほどの商品販売に基づく貸付金についての引当を大幅に増やしたことによるものと発表しています。

売上高87億元の内、34億元は宿泊予約の販売によるもので前年比21%成長となり、6期連続で20%以上という高速成長を続けています。中身として、低いクラスのホテルについての予約販売が5期連続で50%以上の成長を見せており、中国人の旅行や出張についての幅が広がっていることが分かります。国際便の航空券予約についても34億元、13%成長と稼ぎ頭になっています。

董事局主席の梁建章はメディアのインタビューに対して、国際化はCtripとしての重要なKPIとなっていると述べています。

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インバウンド関係者の大きな発想に期待

先日、香港のファンド、日本の投資家と食事をする機会がありましたが、その場で盛り上がったこととして、日本の地方の観光資源がアンダーバリューであり、絶好の投資機会であるということです。

大ヒットした映画”非诚勿扰”の舞台となった北海道についてはすでに星野リゾートが复星集団(Fosun)にトマムスキーリゾートを売却し、運営について再委託を受けたようにすでにExitフェーズにありますが、他の地域については手がつけられていません。

一方で、中国人も含めた訪日観光客の動向は、銀座でのショッピング、京都のお寺めぐりなどは一通り終えており、トレッキングなどのバックカントリー需要など日本の自然を活かしたアクティビティにシフトしているとのこと。この辺りの情報、実は日本人よりも外国人の方が詳しかったりします。

点と点を繋いで面として地方を演出し、全体の中で収益を得る、大きなビジネスモデルの構築が望まれているのではないでしょうか。日本人はどうしても点で売上をどう上げるかという議論に終始しますが、アセットに焦点を充てて、損して得するような大きな考え方でプロデュースする必要があります。城崎温泉などはベストプラクティスではないでしょうか。

中国流:”消費型”だけでは本質を見失う日本へのインバウンドサービスについて

  メルマガに載せた文章を再構成して1日遅れで載せます。日本の地方都市とインバウンドについての考察、というか雑感です。今回の2泊3日の城崎温泉の旅で思うことが…

星野リゾート以外でこのような需要の刈り取りを行える企業が出ていない中、大きなチャンスであると思いますが、インバウンド関係者の皆さま、ここが頑張りどころではないでしょうか。

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