中国バイトダンスが独自OSを開発していることが明らかになりました。同時に、学習・教育分野における自社開発とM&Aを積極化しており、子ども向けの独自インターネット端末とサービスのリリースに向けて動き出している可能性が出てきました。

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バイトダンス独自OSの開発へ

日本ではTikTokで知られている中国のインターネットユニコーン”字節跳動(ByteDance:バイトダンス)”ですが、2019年5月27日にフィナンシャル・タイムズが内部情報として、彼らが独自OSを搭載したスマートフォンの開発を行っていることを公表しました。

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スマルチザンの技術リソースを買収

バイトダンスは2019年1月に羅永浩が率いるインターネット端末メーカーである錘子科技(Smartisan:スマルチザン)の一部の権利使用権を買い取っています。詳細な条件等については守秘義務上明らかにされてはおりませんが、当時バイトダンスは、教育関連領域への進出を模索しているとコメントしていました。

公開資料によるとバイトダンスは2019年1月2日にスマルチザンから買い取ったのは111の知的財産権で、スマートフォンの外装、キーボード、システム起動時の暗号入力、ショートカット、写真等の画像調整、SMSによる多重認証、更にはカメラに関する機能までスマートフォンに関するあらゆる権利が含まれています。

スマルチザンの内部情報によると、バイトダンスが注目したのはハードウェアだけでなくソフトウェアも含まれており、スマルチザンの買収の数日後にはバイトダンスは交渉行政部門に対して”字節錘子”の商標登録を行っています。日本語でいえば”バイタルチザン”といったところでしょうか。

4月に入りスマルチザンはAndroidを改良して開発した独自OSであるSmartisanOSをアップデートしたことを微博(Weibo:ウェイボー)の公式アカウント上で発表しました。特筆すべきはこの実体がスマルチザン名義ではなく、”北京大眼星空科技有限公司(以下:北京大眼)”となっていることです。

信用情報によると、北京大眼は”北京星雲創跡科技有限公司(以下:北京星雲)”の100%持ち分となっています。そして、北京星雲はバイトダンスの100%子会社です。すでに、SmartisanOSはバイトダンスのものとして開発・運用が行われているということです。

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バイトダンスは中国インターネット教育プラットフォームベンチャーを買収

一方でバイトダンスは”好好学習”、”gogokid”, ”AIKID”等などの子供向けの学習領域におけるサービスのインキュベーションを行い、一対一でのインターネット教育プラットフォームである”学覇君”を買収するなど教育分野に対する投資を継続的に行っています。

4月末に学覇君の大規模なリストラを発表し、”組織を筋肉質に変える”としていたバイトダンスですが、同時にこのリストラが学習・教育分野に対する発展の第一歩であり、顧客体験を進化させるための重要な活動であることも合わせて宣言しています。

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注目される中国の学習・教育分野。M&Aの活発化が予期される

テンセントを脅かすまでの存在となっているインターネットユニコーンの新旗手であるバイトダンス。多くを語らないことで知られているこの会社、子ども向けの学習・教育事業に対してインターネット端末を活用することを想定しているように見て取れます。

中国人は家族の結束が相対的に強く、特に子どもに対しては教育・娯楽ともに惜しげもなく家族の資金を”投資”します。中国人は”投資”と”回収”に対する考え方が非常に敏感で巧みであり、それがときには子どもに対する強烈なプレッシャーとして跳ね返ってくることもあり、様々な社会現象を生み出しています。

中国のベンチャー企業も注目する学習・教育分野ですが、この領域をリードするのはバイトダンスになるのでしょうか。これから、この分野におけるM&Aが活発化することが想定されます。

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