2019年8月20日の早朝、網易(Netease:ネットイーズ)グループCEOの丁磊と阿里巴巴(Alibaba:アリババ)のCEOである張勇(Daniel Zhang:ダニエル・チャン)が浙江省の西湖の近隣で会談をしました。

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ダニエル・チャンと丁磊の直接対談の後に破談

この会談は「対話」という番組の収録が目的でしたが、その裏側で重要な取引に関する話し合いが持たれていたのです。当日の午後、アリババがネットイーズに対して、ネットイーズグループ傘下の越境ECプラットフォームである網易考拉(Netease Kaola:ネットイーズ・コアラ)を買収する案件が既に破談になったという情報がマーケットに流されたのです。

ことの発端は2019年8月13日、アリババグループが20億ドルでネットイーズ・コアラを買収し、アリババ傘下の越境ECプラットフォームである天猫国際(T-Mall Global)に統合されるというニュースが流れました。

そして、この会談の後に取引が破談となったニュースが流される前までは、アリババはネットイーズ・コアラ以外に、網易音楽(ネットイーズ・ミュージック)や網易研究なども含めて20億ドルで買収するという話になっていました。

当日、双方の話し合いの後、網易公司の董事局主席でありCEOである丁磊は最終的にアリババによる一部事業の買収提案を正式に否決したとのことですが、一部の情報によると、どちらかの譲歩があれば案件の検討が復活する可能性も否定できないという状況のようです。

それとは異なる匿名情報もあるようです。前述した午後の意思決定についてですが、丁磊が高官を集めて30分ほど議論をした内容は、ネットイーズグループの調達状況が非常に順調に進んでいるということのみであったというものです。

アリババの張勇との話し合いが破談に終わった後、ネットイーズグループとして次の調達を行い、そこにはアリババが参加することはないということを意味しているとも言えます。

背景には越境ECプラットフォーム間での競走の激化があります。ネットイーズ・コアラは2018年に、プラットフォームの名称から”海購(海外購買)”という文字を消去しました。丁磊によれば、ネットイーズ・コアラは海外からの輸入商品も扱うと同時に、国内の高級ブランドも扱う、統合型のECプラットフォームを目指しており、名称変更もその現れであるとのことです。

2019年2月にネットイーズ・コアラはアマゾンの中国事業撤退を受けて、その事業を取り込むことを意図しましたが、アマゾン中国事業の取引価格が割高であったこともあり、結果的には失敗に終わっています。

激化する中国のECプラットフォーム間での争いの中で、勝ち残るのは誰なのでしょうか?