北京の”赛特购物中心(SCITECH PLAZA)”が6月一杯で閉店します。2000 年代に北京市に駐在されたビジネスマンとその家族であれば誰もが知っている長安街の東、北京のど真ん中に位置する高級百貨店の選択とは如何なものでしょうか。

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塞特購物中心とは?

長安街とは建国門外大街が天安門広場に接する部分を称する呼び方であり、その建国門外大街はまさに北京のど真ん中を東西に貫く幹線道路です。長安街の東側、二環露と三環路の間には以前は日本大使館が位置し、訪問者や日本企業に働く駐在員などが多く宿泊、定住していた長富宮飯店もあります。その第一級エリアにあり、北京の富裕層や外国人などが買い物に訪れていたのが、赛特购物中心でした。

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立ち上げにはヤオハンも協力

赛特购物中心の歴史は古く、1992年12月20日に、日本のヤオハンが中国国家科学技術部門と提携し、北京初の中外合作形態でのモール型ショッピングセンターとして開業し、1995年のヤオハンとの合作期間終了後は独立運営となり、今に至ります。輸入品や高級商品などを取り揃え、きらびやかなライティングを備えた外観とともに、多くの北京っ子の話題になるだけでなく、海外からのVIPが北京訪問時に立ち寄ること少なくありませんでした。

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中国の急激なEC化についていけず

しかし、ショッピングに対する意欲と財力が旺盛な若者に合った商品をラインナップすることができず、かつECが台頭する中で客足は遠のき、6月の閉店が決定。現在は閉店に向けた特売セールを行っていますが、来店客よりも店舗スタッフの数が多い皮肉な状況となっているようです。

中国小売市場は2010年頃から急速なEC化が進んでいます。結果として、阿里巴巴(Alibaba:アリババ)グループ等が台頭し、購買だけでなく集客から決済までのエコシステムを持つ彼らにリアル店舗側は普段どおりの戦略では勝つことはできなくなりました。

中国メディアは北京塞特購物中心の撤退はECの影響が強いと書いていることは前述しましたが、このショッピングモールの場合は2010年以前からすでに売り場がマーケティング的な文脈で古く、北京市の洗練された消費者たちから見限られる傾向があったのも事実です。立地は北京のど真ん中で非常に恵まれているのですが、そういった消費者層に対して十分なアピールができなかったというところが本質でしょうか。いずれにせよ、中国のマーケットの変化のスピードは速く、企業側としても対応力が求められるところです。

中国におけるマーケティングやコミュニケーション戦略に関する記事についてはこちらにまとめております。

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