深セン出張から帰りました。日本でM&A案件の座組を整えることに邁進することになりますが、深セン出張で感じた中国の今と昔を感じさせるモノゴトについてまとめました。

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外国人にとってWechatの利用難度は更に上昇

既に色々なメディアで記事に書かれている内容ですが、実感しました。前回の訪中は2月で上海に出張しましたが、その際には普通に自分の日本版微信(Wechat:ウィーチャット)の残高を至るところでの支払いに使うことができました。

元来、日本のクレジットカードでウォレットの登録は済ませており、そこに中国人から送金をしてもらうことにより残高の補充をしていました。しかし、今回の深セン訪問で、残高があったとしても中国国内の銀行口座と紐付けがなされたアカウント、ウォレットからでなければ支払い機能が使えなくなったということです。

実際に、支払いの段になりQRコードをスキャンすると、銀行口座との紐付け画面に遷移し、銀行口座を持たない外国人にとってはそこから先に進めない、すなわち支払いができないという状況になります。

外国人、特に旅行者にとって中国国内に銀行口座を作ることはハードルが高いため、今後、外国人旅行者は中国で非常に硬みの狭い思いをすることになるでしょう。腾讯(Tencent:テンセント)に改善を期待したいところです。

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中国人のリアル接点でのサービス品質は確実に向上

一方、以前にも同様な内容を書いたことがありますが、中国人による店頭やタクシー等リアル接点での接客品質は確実に向上しています。注文や支払いに関する単純作業の繰り返しから解放された中国人従業員たちは、コミュニケーションに注力できるのです。笑顔が至るところで見られます。これはかつての中国の接客を知る人間にとっては驚くべき変化です。ある意味、日本よりも気持ちの良いサービスになっているとも言えます。

この点については、日本も学ぶところが多くあると思います。おもてなしの本質とは何か?おもてなしをすることを全て店頭スタッフに押し付けることでブラック化することの矛盾をどう解決するか?この辺り、中国のリアル接点におけるテクノロジー活用事例が示唆することは非常に大きいはずです。

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中国人マネージャーの年収は日本人よりも高額化

今回の出張の目的は日本企業のM&Aに対して中国人投資家への提案と交渉を行うことが目的でしたが、実はもう一つ、中国国内での破壊的ビジネスについて日本人投資家を募るための提案書を練り込むという目的もありました。

その事業の立ち上げメンバーのコアメンバー、年収は150万元(約2,400万円)だそうです。外資系サービス企業のシニアマネージャークラスです。日本企業と比べれば確実に貰っていますし、日本にいる外資企業と同等、もしくはそれ以上の金額かもしれません。

彼は、その年収を捨ててでもこの新しい事業の立ち上げに参加するというところも凄い。既に40歳を超えたところで安定を捨てて更に挑戦をしていくスピリットは素晴らしいと感じます。

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食を中心に考える伝統は変わらず

前述した日本企業M&Aについての会合、12時前に会議が終わったのですが、先方のトップから「食事する時間はありますか?」と当たり前のように投げかけられます。当たり前のようにです。このようなシーンは中国でビジネスをしたことがある方なら馴染みのある光景だと思います。

また、余った時間で散歩をした深センの旧市街(とは言ってもそれほど歴史がある訳ではない)にある東門美食街、17:30くらいに訪れたのですが、火鍋などの大型店も、アーケードに囲まれた屋台も、どの店も仲間、友人、家族連れで埋まっており、皆にぎやかに食事をしています。

中国人にとって食は人生における基本中の基本。ビジネスにも、友情にも、家族の間にも食という場がコミュニケーションの中核として機能しているのです。

最先端のIT技術から食の伝統まで、それを一つの街で見られる深センは、中国の現在を象徴していると言えるでしょう。