まとめ | Yahoo! JAPANと中国アリババが越境ECで提携 コスト1/5!
CNetなどのメジャーに完全に速報で乗り遅れましたが、Yahoo!JAPANとアリババの業務提携についての中国側の記事による情報を提供します。基本、CNetに書かれおり、他のメディアでも露出したものと変わらないですが、まとめる感じで置いておきます。まずはヤフー株式会社による公式
Yahoo! JAPANとアリババグループの「天猫」「天猫国際」が連携(ヤフー株式会社)
次に、Yahoo!ショッピングの集客ランディングサイト、
どうも即席で作ったとしか思えないサイトで、ランディング先はEmailしかありません。ここで書かれている条件が今回のタッグで絶対に成功しようと考えているところだと思いますが、
- 日本の有力メーカー(ブランド)様・有力小売販売事業者様
- 国内のECで十分な実績がある企業様
という条件です。さて、中国大陸現地のメディアを見てみましょう。
阿里CEO张勇全球化布局 天猫拟开日本国家馆(新浪科技)
この中身を要約すると、2015年5月29日午前、日経新聞中文版の報道により、
- まずは日本側の出店者は100社に限定して開始
- その後1,000店舗に拡大する見込み
- 対象は、中国消費者のニーズが高いベビー用品、化粧品等を想定しているが限定は無し
- Yahoo!ショッピングと天猫に同時に店を開くことが可能
- 日本からの輸出税関手続き、中国国内配送はYahoo!JAPANとアリババが共同で実施
- 通常出店者1社あたり150万円ほどの初期費用がかかるところを、1/5(30万円)程度で出店可能
- 販売商品の展示についてもターゲットにリーチしやすい場所に掲示
というあたりがポイントのようです。ちなみに、記事の中では、中国のEC市場は日本の5倍、50兆円、内60%がアリババの市場シェアであり、Yahoo!JAPANはアリババの集客力、物流、決済を活用した形であろうと分析。現状で、楽天が撤退、アマゾンは苦戦しシェア3%にとどまっている中での挑戦であることに触れています。ちなみに、アリババグループが提供する中国国内のECサイトである”天猫”には3億5,000万人のユーザーが存在します。
また、2015年5月27日アリババの新CEOのダニエル・ザング(張勇)は日経新聞の取材に応じ、「日本の商品は中国でとても人気がある中で、日本の小規模企業にも中国消費者に商品を提供することができるようになります」と話したそうです。これは記事になっているかもしれませんが、ダニエル・ザングが始めて日本に向けて公式に発言した内容となりそうですね。
編集後記
僕のブログやメルマガの読者には関係者がゴロゴロいらっしゃいそうですが(笑)、今回、有力企業100社に絞り込んでいるところがポイントだと思います。キーは”人”です。ダニエル・ザングは「小規模企業にも・・・」と話をしていますが、実際問題小規模企業がアリババの”天猫”のプラットフォームを使いこなせるとはとても思えません。サイトのメンテナンス、顧客対応(マーケティングに始まりクレームまでも含めて)、トラブル処理などを考えると中小企業では対応できる人がいませんから。このあたりをクリアしていかないと、またも中国に騙されたという風潮が蔓延することにも繋がりまそうです。大手企業の中で、しっかりと中国側の販売機能をメンテナンスすることができる人、仕組み、ガバナンスを備えているところがどこまであるのか・・・、ですかね。一方でそういったことを助けるためのプラットフォームサービスが立ち上がってくると思います。いずれにせよ、今考えられる強者連合が出来上がったということなので、今後どうなるのか注目していきたいです。