カルフールに続いてMetroも中国から撤退

2019年10月11日に麦徳龍集団(Metroグループ)が物美集団(Wumart)と多点(Dmall)が共同で、物美集団によりMetro中国の支配株式を買取ことについてMetroグループと最終協議に入ったことを発表しました。

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中国インターネット企業と小売大手が進めるO2Oの流れについていけず

Metroが中国に進出したのは物美が設立された頃とほぼ同時期で、ともに20年の歴史があります。両者ともに現在、中国の小売市場において一定のシェアを確保し、存在感を示しています。アナリストによるとMetro中国の企業価値は19億ユーロ(約2,270億円)と言われていますが、今回の物美集団による買取総額は119億元(約2,000億円)になると見られています。

遅くても2020年第2四半期にはクロージングを迎えると見られている今回の大型M&Aですが、その後もMetroは20%の株式を持ち続けることになっており、食品安全に関するトップはドイツ人が掌握する体制のまま、”Metro”ブランドは中国に残り続けることになるようです。

早期から中国に参入し”大売場”、すなわちウェアハウス型の巨大スーパーという業態を確立したMetroですが、今回のM&Aに合意する細大の理由はキャッシュフローです。

足下でのMetro中国の企業価値は約140億元(約2,380億円)と見られており、2017年度の売上は200億(約3,400億円)、EBITDAは5%を超えています。一方成長率は鈍化。Metro中国のシェアは7.3%に過ぎず、次々と中国国内小売大手が阿里巴巴(Alibaba:アリババ)や腾讯(Tencent:テンセント)インターネット企業と資本提携しO2O戦略を加速する中で、未来への拡大シナリオを描けなかったことが原因と見られています。

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