2019年7月2日に江蘇省連水県市場監督管理局が達利食品集団(Dali Group)に対して3,673万元(約5.9億円)の罰金を支払うことを命じました。理由は虚偽広告で、同分野においては中国市場最大とも言える規模の処罰となっています。

_

実在しない基金を寄付対象とした公益キャンペーン活動で中国広告法違反

達利集団は中国の中でも有数の食品コングロマリット企業です。中国で生活したことがある方なら当該企業の商品を目にしたことがない人はいないと言っても過言ではないでしょう。

2017年12月8日から2018年7月31日までの期間、達利集団は公益キャンペーン活動を実施しました。このキャンペーンに該当する”可比克”シリーズの商品を購入した生活者は、パッケージに貼られたQRコードを微信(Wechat:ウィーチャット)でスキャンすることにより紅包(ホンバオ:お年玉)、もしくは景品引換券を手にすることができました。

紅包はその場で自分のウォレットに入れることもできる一方、公益活動に寄付することを選択することができました。寄付の対象は文化遺産プロジェクトで、一つは”中国文化保護基金会”を通じてキャンペーンの期限である2018年7月31日までになされ、もう一つは”中国非物質文化遺産(無形文化遺産)公益基金”を通じて2018年5月31日までになされるとされていました。

江蘇省の連水県市場監督管理局はキャンペーンの期間が終了しているはずの2018年8月に入ってもキャンペーンの案内が印刷されたパッケージの商品が陳列されていることを不審に思い調査を開始したところ、前述した2つの”公益基金”が存在しないことを発見します。”中国文化保護基金会”は過去も含めて存在しておらず、”中国非物質文化遺産公益基金”は2011年に解散していたのです。

行政当局はこの時点で虚偽広告であると断定します。それだけではありません。当局は達利集団のキャンペーンにおける当選率が業法の基準を満たしていないことも突き止めます。これも中国広告法に抵触します。日本で言えば景品法違反に該当するものです。この結果を受けて冒頭にあるように当局は広告法違反で達利集団に対して3,673元(約5.9億円)の罰金を支払うことを命じました。

さて、当の達利集団は罪を素直に認めているのでしょうか。話はここで終わらないのです。

達利集団はメディアに対して

公益キャンペーン活動は虚偽ではなく実在した活動でした。活動が終わった後に、”中国文物保護基金会”を通じて寄付を行いました。

と答えています。

中国文”化”保護基金会ではなく、中国文”物”保護基金会だったという訳です。メディアの調査によれば中国文物保護基金会は実在し、2018年8月1日付で達利集団のキャンペーン名と同じ名目で10万元(約160万円)が寄付されたことがオフィシャルサイト上で示されていました。

キャンペーン活動中、印刷会社のスタッフのミスにより寄付対象基金について間違った名前がパッケージに印刷されてしまいました。しかし、活動自体は実体のあるもので、弊社としてはいかなる違法行為も行ってはおりません。

実際に当該キャンペーン期間内において弊社は消費者からのいかなるクレームも頂いてはおりません。

とする達利集団の意見は、日本の常識はもちろんのこと、中国でも常軌を逸した内容であると言わざるを得ません。達利集団の馬鞍山工場では今年2019年5月28日には安徽省市場監督管理局から品質検査で細菌数が基準値を超えていることを指摘されており、グループとして初めて品質不良を出しています。

2017年末から現在にかけて達利食品集団の中でコンプライアンス的に問題が起こりやすい状況が発生していることは間違いないようです。