97歳で中国株投資の神と呼ばれた男、この大暴落で完全売り抜け
杭州市の”株式投資の神”
浙江省杭州市に97歳の老人がいます。彼は20年弱、株式投資を続けてきました。そして、今では市民から”株式投資の神”として奉られているということです。特に、早朝や夕方の公園で踊り、株価のK線を見つめるお婆さんたちにとって神のような存在です。
驚異的な”負けない”市場観
彼は、20年間の投資人生の中で危機に陥ったことはない。人々が株のことを話題にしなくなった時に買い、借金をしてまで買い増している時にサッと手を引く
現在上海・深セン株が大暴落している最中、この老人は6月16日の時点で既にストックは新株の一株を除いてほぼゼロで手仕舞い済みでした。そして、彼が唯一手元に残したその一株は10日連続のストップ高だったそうです。
97歳の”株神”の投資哲学とは
いったい、この20年でいくらくらい稼いだのか、それについて老人は口を開きません。「株式市場における勝ち負けを操作することはできない、お金は身体の外にあるもの。煙のようなものです」と百年近く生きてきた老人は言います。
上海A株指数は現在約4,000ポイント。5,100ポイントからここまで来るまでわずか10日余りでした。当日、97歳の老人は杭州市のとある取引所にて”講義”を行っていました。講義を要請した人の要求は高くありません、「心に残ったストーリーを話して欲しい」というものでした。
「お金を稼ぐことだけが株式投資の内容ではありません。分析と判断を行い、最終的に検証することはとても楽しいことです」、と1919年6月生まれの施坤森と説いたそうです。
ボケ対策で独学で習得して18年
彼は退職前は半官半民企業のセールスマンでした。各地に飛び回り営業を行う日々から離れた彼は、痴呆症になることを畏れ、株式投資を始めたのです。当時、1980年代末から1990年代初期にかけて株式投資を行う人は稀でした。
そこで彼は本を読み、テレビを見て、そして取引所で交わされる会話を盗み聞きし続けて、1ヶ月後、だいたいの仕組みが分かったそうです。そして、1998年に株式投資を始めて今に至るということです。
編集後記
上海でも北京でも、この話題の杭州でももっと田舎の中核都市でも、中国に少し長めに生活したことがある方なら、街なかに取引所があったのを覚えている方いらっしゃると思います。中国の皆さんは本当に賭け事が好き。自分の友人でカードゲーム、麻雀でお金掛けていない人見たことありません。中国人は基本的にリスク嗜好が高いんですよね。
今回、この97歳になるお爺ちゃん、恐らく営業マン時代も相当な成績を出していたんじゃないかと思います。元気だからこそ、その元気さを退職後も失いたくない、だからこそ退職後から新しいチャレンジを始める、これって素敵なことですね。置いてもリスク嗜好を失わない、この辺りに中国社会の活力の一端があるのかもしれません。