中国の老舗アパレルブランドホルダーである波司登の業績が絶好調です。一方で、その売上の大半はダウンジャケット事業からのものであり、ここ数年でM&Aも含めて攻勢をかけてきたレディースアパレル事業をどうするかが課題となっています。

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競争の激しい中国アパレル市場で売上17%成長, 営業利益率34%を達成

1976年に創業開始した老舗アパレルブランドホルダーのひとつである香港上場企業、波司登(Bosideng)が2019年6月26日に2019年3月31日付での年度財務報告を行いました。

売上は前年比で16.9%成長の104億円(約1,664億円)で、営業利益率は33.9%成長の55億元(約880億円)となりました。売上高の73.7%は主力商品であるダウンジャケットに依るものでした。

数値からは好調さが伺える波司登ですが、副総裁である朱高峰によると

レディースアパレル事業についての弊社の意思決定は合理的ではなかった。将来的にはダウンジャケット事業にリソースを集中することを考えている。

としています。

前述したように波司登の売上に占めるダウンジャケット事業の比率は73.7%と非常に大きく、かつその絶対値は前年比で35.5%も伸びています。粗利率も57.4%で前年比で5.9ポイント増加しており、金の成る木となっています。

波司登は2018年に傘下ブランドの整理を行ってきました。ダウンジャケット事業に集中するために、メンズアパレル、カジュアル、下着事業を縮小、キッズと学校制服については判断保留としています。学校制服については、同分野における韓国のトップ企業であるSmartと合弁会社を設立していますが、粗利率は20〜30%, 最終的には純損失を出しています。しかし、波司登としては3年間はバリューアップの期間と捉えており、判断は保留とされました。

レディースアパレルについてですが、2011年10月にミッドハイに位置するブランドJESSIEを買収したことを皮切りに、2016年から2017年にかけてkoreanoやCloverなど合計4ブランドに対して相次ぐM&Aを行い、ラインナップを拡充、本格的に当該分野への攻勢をかけました。

2017年の時点で波司登のレディースアパレル事業は売上成長85.4%と急速に拡大しましたが2018年の結果では4.2%と急激に減速、ダウンジャケット事業の35.5%には遠く及ばない状態となっています。

波司登がレディースアパレル企業に対して行ってきたM&Aには無理があった。当時はレディースアパレル事業とダウンジャケット事業には補完関係が構築できると思ってたため、一連のブランドラインを取り揃えることを目的としてM&Aを行った。

但し、今のところレディースアパレル事業から撤退することは考えていない。

と朱副総裁は語ります。