中国河南から世界を統べた調味料企業が債務超過、上海市場の上場廃止基準に抵触か?

中国市場は圧倒的な消費力を背景に日本では考えられないような利益成長ができますが、一方で消費者の嗜好の変化も激しく、次から次へと競合企業が現れる中で厳しい競争環境であることも間違いありません。その荒波の中で揉まれて、今まさに消えようとしているかつてのグローバルトップ企業を紹介します。

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中郷河南省のとある県級市(中国の県は日本の市よりも小さな単位)に、かつて世界を支配したメーカーがあります。その名を”蓮花健康産業集股份有限公司(以下:蓮花味精)と良い、うま味調味料(グルタミン酸ソーダ)、日本では「味の素」が有名ですが、この領域で中国、世界を支配したメーカーは、2019年1月30日時点で2018年の損失が3.1〜3.7億元であることを発表、債務超過による上場廃止基準への抵触が噂されています。

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1990年初頭、蓮花味精が提示する求人は年収1万元が保証され、中国語で「鉄飯碗(鉄の茶碗)」、すなわち絶対に食に困らないという言われ方をされていました。

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1997年、蓮花味精の生産量は12万トンに達し、1983年に設立した当初945万元であった生産額は2.2億元に達していました。この時点でグルタミン酸ソーダの加工料は世界一となり、中国国内市場のシェアは43.4%という驚異的な数値を叩き出していました。

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2年後の1999年に蓮花味精は上海証券取引所に上場しましたが、その翌年には雲行きが怪しくなります。従業員への給与支払いが滞るようになります。2010年の蓮花味精の営業利益は90.8%も下降、2017年までの累積損失は23.3億元となり、経常損益を加味した累積純損失が3.1〜3.7億元に達したとのことです。

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2014年、経営状態の悪化が続く蓮花味精は資本の荒波に揉まれます。14歳で大学入学を果たし、天夏智慧集団の創設者として成功した夏建統が蓮花味精を買収します。再生案件としてM&Aを行った夏建統ですが、2年間の経営の後に経営再建は難しいと判断、保有株式の100%を安徽国厚へ売却しました。しかし、経営状況は一向に改善されず、現在の中国グルタミン酸ソーダ業界は、阜豊集団、梅花生物、伊品生物の3強に集約され、蓮花味精の名前を見ることはなくなってしまいました。

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競合による市場侵食も蓮花味精が没落した原因の一つとして考えられますが、2000年、上場直後の盲目的な製品多角化も大きな原因とされています。従来はグルタミン酸ソーダなどの調味料とビーフン、複合肥料が主力製品であったにもかかわらず、副食品やミネラルウォーター、レトルト食品からなんと皮革製品、機械設備に至るまでやみくもな拡大を行ったことは失敗と関係が小さくないと思われます。

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上場して調達した多額の資金を中核事業以外の部分に費やした結果として、主力製品の売上が思ったよりも伸びず、競合企業の躍進を招いてしまった。これが蓮花味精の現在の姿を形作っているのかもしれません。栄枯盛衰、中国市場の厳しさを示す事例と言えましょう。

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