北京に関係する方であれば、”華潤”と聞いてピンと来るでしょう。食品などの流通・小売を司る大企業です。その華潤が北京市や山東省などの運営から手を引き始めています。何が起こっているのか見てみましょう。

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華潤集団は”華潤万家”というスーパーマーケットをチェーン展開してきましたが、この業態に属する路面店について北京市、山東省などの大部分で閉店し、マーケットから退出しています。保有は継続し、運営を外部に委託する形での退出となっています。

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2019年3月1日時点で北京市の分鐘寺店ではすでに店内における掲示物が”物美”グループのものに書き換えられています。報道では、華潤万家の北京市における店舗の運営は同業である物美グループに委託されているとのことです。

また、山東省の済南市や青島市などの路面店ではすでに「閉店大売り出し」が実行されており、将来的には”家家悦”に売却されることが噂されています。

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華潤万家の路面店の弱体化は2015年から表面化していました。華潤グループは以前、買収したTESCOの北京における店舗を同年に物美に売却し、その後も本業である華潤万家の北京市における店舗を立て続けに閉めています。2015年6月時点で北京市に店舗が12ありましたが、すでに損失が出ていたとのことです。

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EC市場の発達に伴い、路面店の集客力は減退し、家賃の上昇圧力が高まる中で、旧来型のスーパーマーケットモデルが立ち行かなくなっていることは誰もが知るところでしたが、北京の流通・小売の雄の本業からの全面・部分的撤退には感慨深いものがあります。

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今後、華潤も含めて新しい流通業態への転換が望まれますが、その点において、日本の流通・小売チェーンへの注目度はより一層高まるでしょう。弊社にも買収案件の打診が数多く寄せられますが、日本側がどのように中国市場・企業に対して付加価値を出せるか、ビジネスとしてリスク・リターンを最適化できるか、面白い時代になってきています。

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