中国ドラッグストアの雄“ワトソンズ”が足下で苦戦、日本のドラッグストアへ熱い眼差し
中国広州市発祥で今は香港資本となっているワトソンズ(屈臣氏)をご存知でしょうか。中国の全土に化粧品や日用雑貨の棚を並べる小売店をネットワークしているチェーン店です。日本のドラッグストアの化粧品版と言えば分かりやすいでしょうか。現在はかつてほどの賑わいを見せておりません。どのような状況でしょうか。
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あるメディアによれば5つの理由があると報道されています。まず1つ目ですが、ワトソンズのお店に入った方なら分かると思いますが、必ずと言って良いほどにスタッフにつきまとわれます。成熟化が進む中国の生活者にとって煩わしくなってきたということです。
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2つ目の要因として、スタッフの店舗における商品知識不足が挙げられます。店内には所狭しと多数の商品が並んでいますが、棚を作ったメーカーのスタッフが販売しているため、他の棚にある商品についての知識は不足しており、どうしても自社製品を推奨することになります。生活者は特定のメーカーの商品のみを購買しにきている訳ではないため、矛盾が発生したということです。
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3つ目としては、品揃えです。生活者は分かりやすいブランドの商品を探しに来るのが普通です。しかし、ワトソンズにラインナップされているブランドには偏りがあります。ドラッグストア業態での品揃えの悪さは致命的です。
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4つ目は価格の問題です。ワトソンズで販売されている商品の価格はスーパーマーケットと比べて高めであることが一般的です。中国の生活者はチャネルごとに異なる価格差に非常に敏感です。インターネットで価格差がすぐに分かる時代において、彼・彼女たちが離れる原因となっています。
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最後となる5つ目ですが、スタッフの販売スキルの不足です。現在、世の中で売れている、話題になっている商品を販売せずに、インセンティブルールの問題なのか、キャンペーン商品のみを強く推奨する傾向にあるスタッフの販売における専門性は非常に低いと言わざるを得ません。商品知識不足と同様の状況ですが、中国の生活者が成熟する中で、ギャップが広がっています。
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以上、5つの理由から現在のワトソンズの苦戦について紹介しました。一方で、中国大陸におけるワトソンズの展開は、中国の流通・小売業界においては先進事例でもあったのです。ところが、タオバオなどのECの発展に伴い、中国の生活者が目にする、手に触れる商品の幅は一気に広がり、知識も上がりました。海外旅行も一般化し、日本も含めた先進国における優れたサービスの経験も豊富です。そのようななかで、先進事例のワトソンズですら時代遅れになりつつあるということです。
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弊社には足下で中国・中華系資本から日本のドラッグストア業態を含めた流通・小売業界に対して買収も含めた以来が数多く舞い込んできています。ワトソンズのサービスが時代遅れとなる中で、中国は次の流通・小売業態における質の基準に焦点を充てているのです。今後のニュースリリースにご期待ください。
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