中国の地方都市にそびえ立つ白酒の瓶。酒造会社の双璧の狙いと結果の明暗とは
中国のお酒と言えば紹興酒ですか?いえいえ、中国通にとっては“白酒”ですよね。中国には様々なその土地を代表する白酒があります。それだけでは、ありません。その本拠地はもの凄いかたちをしています。建築の自由度が高く、自己表現が豊かな中国らしい各社の代表的な建物を見ていきましょう。
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中国の“国酒”と言えば、“茅台(マオタイ)“ですね。中国人でこのお酒の名前を知らない人はほぼいないでしょう。茅台とは、中国の貴州省遵義市が直轄する仁懐市にある鎮の名前です。茅台はルーツである仁懐市に空港をプレゼントしています。その名も“茅台空港”。
乗客が空港を後にした瞬間に目にするのは、巨大な茅台酒の瓶です。その高さは48m、茅台の酒瓶と全く同じかたちに作られた巨大建築を見た乗客は、降り立った小さな都市が茅台のルーツであることを実感するのです。
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さて、茅台に並ぶ知名度を誇るのが、“五粮液”です。四川省の宜宾にも巨大な五粮液の酒瓶がそびえ立っています。五粮液がルーツを持つ宜宾の酒造文化を展示するこの建物ですが、なんと一度、中国ワースト建築ボトム10に入ってしまいました。
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中国の酒造会社の双璧は、どちらもブランド力を上げるために巨大瓶を建築した訳ですが明暗が分かれてしまいました。市民のために空港をプレゼントして実益にかなった茅台に対して、酒文化の展示館を作った五粮液。やはり、中国の市民はなかなかシビアですね。
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