「祖父はお金持ちだった。父もお金持ちだった。そして私も少しはお金がある」。富豪の家に生まれ、そして一度はその運命に敗北した男が台湾一の富豪になった。香港上場企業である「中国旺旺(Wang Wang:ワンワン)」を率いる蔡衍明を例えて言う言葉です。そしてその旺旺が市場価値を大幅に減らし615億元を蒸発させました。何が起こっているのでしょうか?

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ゼロから起業して富を築いた中国の富豪と異なり、台湾人の蔡衍明はまさに「富二代(二代目)」であり、彼が最初に興した”宜兰食品”は父親の援助が基盤にありました。しかし、彼の経営は上手く行かず、最終的には工場の資産を除き責任を負い、それでも個人に債務が残る状態となりました。彼のスタートラインはまさに敗北の二文字でした。

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その後、日本で米菓が流行っていることを知った彼は、台湾で材料を見つけ、日本の米菓企業の”岩塚製菓”と手を組み技術指導を受け、”旺旺”を立ち上げました。その後、旺旺は中国一の米菓企業となり、蔡衍明は「米菓王」と呼ばれるようになりました。

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しかし2014年から業績は下降の一途を辿ります。米菓は春節などにおける贈答品として重宝されていましたが、それ以外における売上は低迷し、競合他社も現れる中で厳しい戦いを強いられています。2014, 2015, 2016と下降した売上は、2017年に回復の兆しを見せましたが、利益は下げ止まりませんでした。市場価値は最高時の1,440億元から615億元も減少し、現在では825億元となりました。

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それもそのはず、米菓市場における旺旺のシェアは一時67.7%まで上昇し、米菓市場自体を食い尽くしてしまったのです。旺旺は現在、乳製品やおかゆ、カップラーメン、そしてお酒、更には基礎化粧品に至るまで商品の多様化を進めており、その結果か、2018年の上半期には利益も回復傾向が見られています。

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二代目の負け犬と呼ばれた蔡衍明率いる旺旺の復活は果たして成功するでしょうか。

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