2018年の中国におけるベンチャーキャピタル市場についてのまとめ記事がでていたので要約してお伝えします。

上の図は2014年から2018年までの中国国内ベンチャーキャピタル市場における投資案件数(棒グラフ:件)と金額(折れ線グラフ:億元)を示したものです。

2018年の投資案件数は9,609件で2017年比較で25.9%も下落しており、2015年以降で初めて1万件を割り込み、2016年からは減少トレンドが続いています。一方で投資額は2兆3,292億元(約37兆円)で2017年比較で22.6%と伸び続けています。日本のVC市場は1,000億円台と見られていますから、これはもう圧倒的な規模の違いと言えます。

また、件数は減少トレンドが続いている中、総額が伸びているということは1件あたりの投資金額規模が大きくなっていることを示しています。

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このグラフは2014年から2018年までのVCが抱えるプロジェクトでイグジットしたものの件数です。2018年のVC絡みのイグジット件数は1,482件、右肩上がりで増加していますが、2017年比較では8%と、ここ5年で見るとやや減速傾向にあることが分かります。これは、中国A株市場のIPO審査が厳格化したことの影響によるもので、事実、2018年のIPO総数はここ5年で初めて減少しています(2017年の598件は2018年には321件と急激に減少)。

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この表はVCが投資した業界を数量ベース、金額ベースで示しています。2018年の件数ベースで見ると企業サービス、医療、文化・メディア、教育、人工知能の順番です。金額ベースでは、金融が圧倒的で、文化・メディア、医療、企業サービス、教育、人工知能と続いています。

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このグラフは2018年におけるVC別での投資件数のランキングを示したものです。トップは言わずとしれた中国インターネット業界のビッグプレイヤーであるテンセントで148件、次にセコイア・キャピタル、そのセコイアが出資しているエンジェル投資ファンドであるZhenファンド、IDGキャピタル、マトリックス・パートナーズと続き、ここまでが年間100件以上のプレーヤーでした。

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いかがでしたか?2018年の中国国内VC市場、37兆円という巨大な市場であることにも驚きますし、1件あたりを単純計算すると30億円以上の投資がなされていることになる訳です。分野的には金融や文化・メディア(ゲームも含む)への投資が活発ですが、医療、教育、人工知能についてはまだポテンシャルがあると言えましょう。この巨大な人民元がこれらの領域にシフトしてくると、日本のベンチャー市場にも影響が出てくることになるはずです。注目の領域と言えます。

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