中国シェアサイクルの本当の終焉

シェアサイクルの終わりの始まり

2017年時点で6社が倒産

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中国のシェアバイク産業は、モバイクやofoを筆頭に総額で数十億元規模の投資が集まり、日本でもそのドラスティックな動きが話題になりました。しかし、2017年初頭に訪れた春にも終わりがやってきており、既に悟空、3V、町町、酷騎、小藍、小鳴と合計6社が倒産に追い込まれています。

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数百億円規模の保証金(押金)が焦げ付く

シェアサイクルサービスでは、初回利用時に100元(約1,600円)前後の保証金を前払いすることが一般的で、サービスを提供する企業が倒産・破産した結果焦げ付き、サービス利用者に返金されないケースが問題になってきました。

酷騎単車が経営破綻に追い込まれた際、サービスの利用者数はのべ1,400万ユーザーであり、1ユーザーあたり100元(約1,600円)全てが焦げ付いたとなれば、200億円以上が消えて無くなったことになります。もちろんキャンペーン等により全てのユーザーから保証金を預かっていることは考えにくいものの、それでも日本では到底想像できない規模であることに疑いの余地はありません。

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シェアサイクルの終わりの到来?

一方で、中国のメディア上では、倒産した6社のシェアをあわせても10%にも満たないと言われています。中国シェアサイクル業界を引っ張るのは摩拝(モバイク)と北京拝克洛克科技(ofo)の2強です。この2社が経営破綻していないのであれば、まだ市場は健全であると言えるかもしれません。

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ofoを取り巻く破産・組織再編の噂

ofoの複数の支社が”もぬけの殻”という報道

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11月に入ってofoの地方支社が”もぬけの殻”になっているという報道がなされました。それに対して、ofoは「報道は事実無根であり、サービスを提供するすべての都市において正常運営を行っている」という趣旨の公式声明を発表しています。

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ofoの預かり保証金は37億元(約592億円)

この預かり保証金以外の負債費目を含めたofoの負債総額は、今から半年を遡る時点で、約65億元(約1,072億円)とされており、業界に詳しい人間によると既に破産を想定して証券系企業の専門家が資本・組織再編スキームについて提案を行っているとされています(公式声明ではこの点についても否定)。

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シェアサイクル先進国だからこその課題

シェアエコノミーのリスクと中国リスク

中国はシェアサイクル先進国ですが、以下に示す課題があることが指摘されています。

・自転車が故障する、壊される

・駐輪スペースが足りない

・地下鉄駅前の混雑がひどくなる

・自転車による事故での損害賠償請求

・利用者が鍵を壊して私物化

・偽のQRコードを貼り付ける

この内、最後の2点についてはシェアリングエコノミーとしての課題というよりは、中国リスク、すなわち中国に固有に発生するリスクを示しています。

日本では誰かから借りたものについても丁寧に扱うことが前提になるでしょうし、ましてやそれを使って騙そうと考える人は少ないはずです。

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中国シェアサイクルビジネスの今後と日本

自転車最大手のジャイアントは、2017年において、2016年の売上高の65%を失ったと公表しています。それほど2017年初頭における中国シェアサイクルビジネスの勃興は凄まじいものがありました。それが下半期に大失速して6社が倒産し、残った2強についても足下で信用不安が巻き起こっているということです。

モバイクもofoも今年日本に進出しましたが、既に撤退しています。全体で見れば他人のモノについてはあまり大切に扱うことができない国民性の中でシェア系ビジネスを成り立たせるのは非常に難しく、かつ投資先を探してさまようチャイナマネーが流入しやすい環境のため、スタートアップは次々と誕生していく。中国でのシェア系ビジネスの難しさを象徴する状況であると言えます。

一方で、日本は国民の平均的教育水準が高いためシェア系ビジネスについては成り立ちやすい環境にある一方で、規制が厳しいところがビジネスの難しい部分です。日本のシェアリングエコノミーがさらなる発展を向かえることができるかどうか、中国のシェア系ビジネスから得られる示唆も少なくないと思われます。

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