80年代に200万元の負債を追いつつもそこから這い上がり260億元の資産を築いた中国の大富豪

現代の中国には多くの富豪が誕生しました。その大多数は何も無いところから業を興し、着実に事業を拡大させてきています。一方で現在目にすることができる綺羅びやかな部分の裏側には多くの失敗が隠されています。今回は富豪の失敗にまつわる話を紹介します。

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森馬(Semir:セミル)というアパレルブランドをご存知でしょうか?中国に住んだことがある方なら皆知っているブランドと言っても構わないでしょう。既にブランドショップの数は中国全土に8,800店を超える巨大ブランドです。森馬の創業者は邱光和という人物で、現時点での個人資産は260億元を越えると言われています。

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邱光和は現在、浙江省温州市における富豪ランキング第一位と言われています。彼は農村生まれで、家庭の条件も決して良くありませんでした。そのため、16歳になると”打工(ダーゴン)”と呼ばれる、いわゆるアルバイトとして働きに出ました。80年代後半という時期もあり、彼は親友とともに家電工場で業を興しました。景気も良く、売上も順調に伸びていったのですが、洪水が彼の工場に大打撃を与え、当時にして200万元もの負債を背負ってしまいます。

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成功者には挫折はつきもの。そこから這い上がるところに成功する所以がある訳ですが、彼も同様に失敗に屈することなく、アパレル業界の将来に期待が持てると思い、次にアパレルブランドの代理販売を行うことを考えます。しかし、ブランドオーナーからのブランド使用料に納得ができなかった彼は自らブランドをつくることを考えます。このような経緯で森馬(セミル)が誕生したのです。

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4年が過ぎて森馬のブランド認知度は飛躍的に向上し、年間の売上額は10億元を突破します。同時に、アパレル業界の多様化を予測した邱光和は、子ども服市場にも参入し、”巴拉巴拉(バラバラ)”という傘下ブランドを設立しました。その後、順調に成長した森馬(セミル)は8,800店を持つ巨大ブランドに成長し、彼の個人資産は260億元を突破するに至りました。

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ここでも登場するのは温州人。温州承認と言われるだけあります。また、機を見るに敏というか、こだわりが無いというか、成長する市場を見つけるや否や、一気に方向転換して資本を集中投下していくところも中国人らしい部分を見つけることができます。

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