マイクロソフトとGoogle、中国百度、アリババ、クラウド時代の覇者は?

クラウドコンピュティング

昨夜というか早朝3時まで友人と何の話をしていたかと言うと、マイクロソフトがAzureで完全に復活するのではないかという話です。その時にAppleはどうなっているのだろうということと、これからどうすれば良いのかという可能性の話をしつつ、日本とアメリカ、中国、更にはインドも含めた話で盛り上がりました。

マイクロソフトは復活するでしょう。端末側を無料化して、マイクロソフトのクラウドプラットフォームであるAzureでバックエンドを固めていきます。マイクロソフトからしてみれば端末はAndroidだろうがiOSだろうがOSXだろうが何でも良いという訳です。

その点でAppleはコンシューマー向け端末については圧倒的なブランド力でユーザーを取り込んでいますが、バックエンドシステムについては武器があまりありません。IBMとパートナーシップを結んだものの、その後の動きはよく見えてきません。IBM自体もクラウド時代における打ち手については特徴が見えないな、という話をしました。

技術周りについてはテッキーな記事がいくつもあるでしょうからそちらにお任せしますが、自分なりの視点で今後Appleに起こりえる可能性について考えてみましたが、あまり楽観的な将来はなさそうです。

Appleの企業理念は”ユーザーに対して最高のUXを提供する”こととあるように、企業向けのバックエンドシステムには興味がなさそうです。そう言った意味では、マイクロソフトのAzureとは協業していく関係となっていくのではないかと覆います。しかし、マイクロソフトからしてみれば、クラウドの先が何に繋がろうとあまり興味はありませんが、一方で企業ユーザー(場合によってはコンシューマー)に対して、”最高のUXを提供する”という発想に立った場合には、バックエンドを握っているが故の強みを発揮できる可能性があります。

現在のAppleは端末とOSと一部サービスを提供する企業です。Appleができる”最高のUX”というのは、端末の使いやすさを究極にまで高めていくことです。内部の方から話を聞いたことがありますが、ユーザーの端末の操作履歴からどのような形状が望ましいか、ボタンの配置やOS上での操作感の設計などを常に改善して端末のモデルチェンジやOSのマイナーチェンジに繋げています。

Appleは一方で、クラウドプラットフォームを持っていません。ですから、AppStoreから提供されるアプリについてのUXについてはアプリを提供するサードパーティと、AWSやそれこそAzureなどのクラウドプラットフォーム事業者に委ねることになります。それで良いんじゃないかと思う方もいらっしゃると思います。

しかし、マイクロソフトは別のオプションを持つことができます。彼らは端末、OS、クラウドプラットフォームを持っています。Appleと対比的に考えれば、企業ユーザー更にはその先にいるコンシューマーまで含めたトータルでのチューニングをやろうと思えばできるのです。ただ、端末が絶望的に弱い。今までの例を見ても端末についてはあまりセンスを感じません。消費者の選択肢はiOSもしくはAndroidしかありません。

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だからこそマイクロソフトはシャオミやSamsungなどに接触するのです。シャオミはMIUIという独自のUIを持っており、Google Playに繋がらない中国の中でAndroidアプリを提供するAppStoreも展開しています。言ってみれば、完全に中国に閉じた世界でのAppleと同じ立ち位置です。シャオミの選択肢としては、Appleと同様にコンシューマー向けに閉じた形でMIUIをベースとして、”最高のUX”を提供していきますが、アプリ自体はそれが提供されるクラウド環境におけるチューニングまでは手を出さないとすることも有りです。

鍵を握るのは端末ではAppleとシャオミ、クラウドではマイクロソフトとAmazon, Google。実はそれだけではありません。中国にはクラウドの巨人である百度とアリババがいます。そして、マイクロソフトはWindowsのオープンソース化も匂わせています。それが実現した場合、端末側での採用が増える可能性はあります。Androidと同じ立ち位置となる訳です。シャオミがWindowsベースのMIUIを開発することも可能性としては出てきます。全く別のストーリーもあります、シャオミが百度やアリババと手を組んで企業向けのアプリを導入していくことです。これも十分に考えられます。

世の中は”最高のUXの提供”に望むと望まざるとに関わらず向かっています。そして、その鍵を握るプレーヤーは再びバックエンドのクラウドプラットフォーム側にシフトしているのではないかと思います。その中で、華やかに見えるAppleやシャオミですが、実際にはGoogleとマイクロソフト, そして不気味でもあり実際に破壊力が高いのは百度やアリババなのかもしれません。

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