浙江省の某三級都市で仕事をする小伊(仮称)は最近憂鬱なことが増えました。30歳の誕生日を迎える中で家族や友人たちから頻繁に”催婚”されるからです。歳を重ねるごとに返事をすることが難しくなりました。

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日本と同様の理由と中国特有の理由

小伊は、一人でいることは自由であり、子供もいないので実家に余計な負担をかけることもなく、そんなこともあって今の暮らしを気に入っています。

でも、長期的に考えるとやはり寂しさを感じるだろうし、一緒にいる人を探したい。でも、今のわたしの交友範囲はとても狭くて、相手を見つけることができないのです。

この小伊のような境遇にある人は少なくありません。中国には直近で2億人を超える単身の成人おり、その内7,700万人が一人暮らしをしているのです。

中国国家民政部が公表した「2018年民政事業発展統計公報(以下:公報と呼ぶ)」によると、2018年の中国における結婚登記は1,013万組で前年比で▲4.6%、婚姻率(同一年齢における人口に対する既婚者人口)は7.3%で同▲0.4%となっており、2008年以来最低の水準となりました。

また、同じく公報によれば、2018年に離婚の手続きを行ったのは446万組で前年比+2.0%でした。更に、高婚率(晩婚率)は+3.2%と上昇しています。

公報によれば、25〜29歳での結婚が最も多く736万人、次いで20〜24歳と若年層が占めています。日本の統計と比べた訳ではありませんが、それでもまだ中国の結婚年齢は若いと見ることもできますね。

婚姻率の低下や晩婚率の上昇については、自分で稼いだお金は自分のために使いたい、家庭を持つことにより独身時代の生活水準を保てないことは受け入れることはできないなど、日本と同様の理由も大きくあるようです。

一方で、中国では結婚の前提として、小伊のように三級都市に住んでいるのであれば、90㎡程度(90万元、約1,440万円)の自宅を購入する必要があり、更に20万元(約320万円)ほどの乗用車も保有していなければなりません。更に結婚式などの式典費用等も準備する必要があります。中国特有の習慣による経済的負担が結婚を考えるカップルに対する圧力になっている可能性は小さくありません。

日本も長期的には高齢者と若年層で単身世帯が急増することが予想されています。当然ながら婚姻率が下がれば、生まれてくる子供の数も減ることになります。中国は人口が多いため、社会システムに対する負担が日本の10倍で効いてきます。人口政策は長期政策、数年で効き目は現れません。今後の中国政府の舵取り、民間企業の人口減少に対応する新しいビジネスの展開など、目を離せません。