2020年には2兆円弱となる中国ライブチャット市場、あの人も?!
3.3億人の利用者を数える中国ライブチャット市場
2016年8月3日、中国インターネット情報センター(CNNIC)が発表した”中国インターネット発展状況統計報告”によると、2016年6月の時点で、中国大陸におけるインターネット利用者の数は7.1億人で、モバイルインターネット利用者の数は6.6億人、更にライブチャット(直播)の利用者数はすでに3.3億人に達するとされています。日本の人口の3倍弱がライブチャットを利用しているということですから驚きを通り越して呆れます。
主に、ゲーム実況、スポーツ実況、普通の生放送(おしゃべり、歌ってみた、踊ってみた)の3種類の中で、前者2つは70%が男性ユーザーと偏りがあり、普通の生放送に関しては女性ユーザーが45.5%と男女ユーザーが均衡しているとのこと。ゲーム実況と普通の生放送については25歳以下の若年層が多いのに対し、スポーツ実況については46歳以上の層も割と多いというデータになっています。
一般的にインターネット系のサービスにおける先進ユーザーは男性が中心となることが普通ですが、徐々に女性ユーザーが増加して大衆化していく傾向が中国でもデータから伺えます。2014年5月7日に阿里巴巴(Alibaba:アリババ)が米国SEC(証券管理当局)に提出した上場目論見書の中で、2013年時点での淘宝網(Taobao:タオバオ)における女性ユーザー数は男性のユーザー数と逆転。特に年間で40回以上の買い物をする女性ユーザー数は男性のユーザー数に対して20%ポイント以上多かったそうです。
業界のレポートによると、中国ライブチャット市場の規模は150億元(約2,400億円)で、2020年までに1,060億元(約2兆円弱)に達すると予測されています。2016年7月8日でテンセントが発表したレポートによると、ライブチャットアプリのユーザーは男性が多く、30歳以下の若年層が中心となっているそうです。更に、レポートによると、テンセント系のモバイル決済システムのユーザーにおける最大のセグメントは18〜35歳の男性で、約70%弱を締めているそうです。
そして、あの人もライブチャットに!
そして、現在、中国産業界のリーダーも続々とライブチャットを始めています。
4人で”頭地主”というトランプゲームをしている左奥の方、もうお分かりですよね、”ワンダープラザ”で一躍中国の不動産王となり、ある意味、中国のドナルド・トランプとも言える、万達(ワンダー)集団のトップである王健林です。プライベートジェットで移動中の光景ですが、この光景は熊猫TVというライブチャットアプリを通して生放送され、30万人が同時視聴したそうです。
こちら、皆さんのアイドル。小米(Xiaomi / シャオミ)の雷軍ですが、3時間の生放送で最高の同時視聴者数は100万人を超えたそうです。彼はもともとファン経済圏に対して理解がありますから、当然と言えば当然ですが、ドローンの新作のプロモーションとして生放送を行いました。写真の弾幕、凄いですね。内容からも愛されてることがよく分かります。
編集後記
中国のインターネット、ゲーム関連のイベントであるChinaJoyもすでに第14回となり、無事に先月末に執り行われました。すでに中国でも”二次元”という言葉が浸透しており、その主要なセグメントは”90後”から”95後”そして”00後”にシフトしてきているとのこと。どれだけ変化が速いのかと呆れるくらいですが、UXを追求して巨大なチキンレースを繰り広げる中国インターネットキャピタルマーケットは、息継ぎの暇を与えてくれません。
いずれにせよ、すでに3億人がライブチャットにアクセスし、その市場規模は2020年には2兆円になると言われています。恐ろしい規模と成長率の中で、KOLをどう活用していくのか、リスクをどうマネジメントしていくのかという観点から新しいビジネスが立ち上がってきそうですね。引き続き注目していくべき市場です。