ボアオ経済フォーラムにビルゲイツ、イーロンマスクが参加 そして意外なあの人も!?
「ボアオ・フォーラム」、ご存知ですか?ダボス会議のアジア版として胡錦濤国家主席時代の中国が提唱して始まった経済フォーラムです。海南島のボアオというところで行われています。これも「シルクロード・21世紀海上シルクロード」政策の一つの流れと言えます。アジア以外の各国の要人も参加しており、今回はビル・ゲイツ、イーロン・マスクが列席しています。その内、いくつかの要人のコメントを紹介します。最後に意外な?方も登場します。
周小川(人民銀行総裁)
通過供給率が下がり、バルク商品価格が下がり、経済成長が鈍化する中で、中国中央銀行としては通過供給と信用収縮のリスクについて注目している。アジア通貨危機の後、中国の通貨政策は常識的なものだったがこの「常態」は既に過去のものとなりつつあり、「新常態」の時代に入った。我々は利率の自由化を実現したが、中国通貨政策はますますシステム化が進み、物価のコントロールや数量に関する政策の結合度が上がっている。中国の通貨政策は経済の状況に応じて調整局面に入る必要もある。
ビル・ゲイツ(マイクロソフト)
私自身、ジョブスのように遺産を残すことはせず、慈善事業に継続的にお金を投じていくことを決めた。マイクロソフトだけでなく、そういった基金の中で活動をする中で、中国の発展におけるイノベーションを多く見てきた。現在、基金を運用する中で、我々はイノベーションの支援を行い、中国自身の挑戦を助けるだけでなく、その他の国々が直面する健康と発展の矛盾を解決していきたい。
イーロン・マスク(テスラモーターズ)
まず始めに、我々は規模が大きい予測をすることはできないということ。結果大きな失敗をすることになる。自らの最大のリスク嗜好を問いかけてみることだ。リストの一番下にいれば失敗の確立は最大となる。EVを製造するようになり、無数の困難と挑戦に直面した。多くの人が、自動車会社は馬鹿だ、でもEV会社は馬鹿の中の馬鹿だと言われたものだ。
劉強東(京東集団:JDモール)
心配は無くならないし、よく眠れない。私は毎年かならず連続十五日以上の休暇を取るようにしている。その時には微信も新浪微博も見ない。京東など全てのインターネット企業は疑いの目で見られている。しかし、私は楽しい。心配事や痛みが無いということはイノベーションの本質に背いているということだ。
馬蔚華(吉林大学董事会董事)
”余额宝(アリペイの中で投資ができる機能)”は悩みの種だ。銀行のお金は皆そちらに持って行かれた。銀行の利率は自由化されておれず、利率が非常に低い状態の中、余额宝のリターンがあれだけ高ければ流出は免れない。しかし、銀行の利率を自由化し、余额宝のお金が再び銀行に戻ってくる。だからこそ銀行は今とても悩んでいる。
保育钧(中国民営経済研究会会長)
中央政府が腐敗打倒を行った結果、民営企業は公平感を持つことができた。私は多くの民営企業の経営者と接触したが、腐敗打倒については皆賛成していた。腐敗活動の帽子は国営企業に対しては簡単に行えるが、民営企業で行うことは難しい。現在、腐敗活動打倒活動の中で国営企業の指導者たちは仕事を何もしていない。仕事をすることで捕まることを恐れている。そのため、国営企業改革の速度は停滞気味になっている。
林毅夫(台湾人:経済学者)
中国の経済成長率が6%まで落ち込むと非常に心配な局面となる。現在の状況下で最も心配なのは就業問題、債務、グレーゾーンローンだ。7%の成長率であれば問題ない、理想的だ。「新常態」は中国経済がミドル・ローエンドからハイエンドにシフトすることを意味する。イノベーションの刺激策が必要だ。
胡祖六 (ゴールドマンサックス(アジア)パートナー)
腐敗打倒活動は中国の中長期の経済発展において鍵となる必須の政策だ。腐敗活動が打倒され、透明な環境を作り上げることで、経済体制の中での平等が実現される。いわゆる「旧常態」では腐敗が一つの「常態」であった。地位の高い人間が権力を用いることで相当な利益を手にすることができたため、人々のイノベーションスピリットを削いできた。非常に不公平で、非効率的であった。
鎌田薫(早稲田大学総長)
アジア投資銀行とアジア開発銀行の戦略は同じではない。アジア投資銀行の戦略はミドルクラスの発展途上国におけるインフラ建設も視野に入れている。 日本もアジア投資銀行に加入すべきだ。
ちなみに、盟友の小龍による、ロビン・リー、イーロン・マスク、ビル・ゲイツの対談記事がこちらの”小龍茶館”より読めますので、そちらも合わせて是非!中国は動いてきてます!