北京ダックの老舗ブランド”全聚徳”をご存知でしょうか。北京駐在員が日本から来る得意先や出張者への接待で使う際の割りとイージーな選択肢。日本にも出店している全聚徳ですが、ここ10年で最低の営業利益という不名誉な記録を打ち立ててしまいました。

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上場来最悪の業績もキャッシュリッチは変わらず

深セン市場に上場する全聚徳、2019年3月27日に2018年の年次報告を発表、その中で売上高が17.8億元と前年比で4.5%も下降、親会社株主に帰属する当期純利益は7,304万元でなんと前年比マイナス46.3%と2007年に上場して以来最悪の落ち込みとなりました。

財務報告によれば、2018年末の時点で全聚徳の流動資産は約12億元、純資産が約16億元、現預金が約10億元と非常にキャッシュリッチであることから、急激な財務状態の悪化は考えにくいのですが、過去の財産を食いつぶし始めているとも言えます。

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中国新飲食業態が広がる中、一人負けの様相

中国国家統計局によると2018年の全国飲食業市場規模は4.3兆元で前年比9.5%成長と非常に堅調で、全聚徳の苦戦ぶりが浮き彫りになりました。2017年の1年間で北京ダックとして食べられた鴨の数は8,921万匹にのぼり、中国全土で北京ダック専門店だけで8.1万店もあるそうです。中国人にとって北京ダックはソウルフードであることに変わりはないようです。また、2018年の売上の75%は華北地区で上がっていることも中国の地域性を現しています。

全聚徳の2018年の財務レポートについて書かれている記事のコメントを見ると、「不味い」、「不味い上にクソ高い」というような評価が多く、中国の生活者のQOLが上がってくる中で、全聚徳が提供する価値が相対的に下がってきていることが伺い知れます。中国”新飲食”業態が台頭する中で、全聚徳、このまま手をこまねくと、株価の一層の下落に繋がる可能性が高いと思われます。

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