2015年5月7日に中国アリババ(阿里巴巴)グループはCOOの張勇をCEOに昇格させ、今までのCEOであった陸兆禧を董事局副主席とすることを発表しました。アリババグループ董事局主席である馬雲(ジャック・マー)は全社員への公開メールにて、「今は若者の時代であり、今回のマネジメントの調整はアリババグループのマネジメントについては全て1970年以降に生まれた人たちに任せることが目的だ」と述べています。新任CEOの張勇はまだ43歳。これにより、アリババのマネジメント層における1970年以降生まれの占める割合は97%まで上がり、その内の半数を”80後(1980年代生まれ)”が占めることになりました。
公開資料によれば、新任CEOの張勇はプライスウォーターハウスクーパース(PwC)、ゴールドマンサックスなどを経て2007年に淘宝(タオバオ)に加入、タオバオCFO、”天猫(T-Mall)”の総裁、アリババグループCOOを歴任し、2014年にグループの副総裁となり、タオバオ、T-Mallなどグループの中心的業務を担当。アリババグループの高級管理職には生え抜きが多い中で、彼はECサイトを中心に実績を叩きだした結果を認められました。2013年5月10日にジャック・マーがCEOを降りることを発表した際にも張勇はアリババにおけるCEOの有力な候補であることに触れていました。
アリババの馬雲(ジャック・マー)、CEO退陣時の従業員に向けた、自信と信頼にあふれる激励のスピーチ
さて、この結果どうなったかと言いますと、アリババグループのマネジメント層における若返りの状況をご覧ください。
”60後(1960年代生まれ)”、すなわち45歳以上の管理職に占める割合はわずか3%ということです。全職員の平均年齢ではありません。あくまでもエグゼクティブクラスにおける割合というから驚きです。会社全体を活力のあるものに変えていくことはもちろんのこと、あまり良い成績が出せなかった陸張禧はアリババグループ創業期に入社した人間であるにも関わらず、そこは冷静に重責から外すというジャック・マーの考え方が反映された人事と言えるでしょう。
NYSEに上場後から最近まで、テンセントに押され気味であまり面白いトピックを出せていないアリババグループですが、張勇CEOに変わったことで、今後どのようなアクセルが踏み込まれていくのか注目です。
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