中国アリババがインターネットによる自動車の並行輸入販売サービスに参入

アリババグループは2015年5月20日に海外から自動車を並行輸入して販売する”車海淘”というサービスを”天猫(Tmall)”上にて正式に開始しました。今年の初め1月7日に”中国(上海)自由貿易試験区”の中に自動車の並行輸入についてテスト地区が設置されたことは下記の記事で触れています。

上海に自動車の並行輸入テスト地区が設立

このテスト地区には17社の企業が政府からの認可を受けており、①”上海自貿区外高橋汽車交易市場”という売買プラットフォーム型企業が1社と、②その他上記リンクにも示されている実績のあるメガディーラー(”永達”グループなど)16社が含まれています。アリババの自動車事業総責任者である王立成によれば、”車海淘”でビジネスを行う場合には①の交易市場経由、もしくは②のメガディーラーの2つのパターンになるとのことです。現在、16社の内4社が”車海淘”の中で店舗を開設済みです。

车海淘

販売される並行輸入車の価格は20〜100万元(約400〜2,000万円)のミドル・ハイエンドの価格が主流となり、既存の”4S店(自動車正規ディーラー)”での販売価格の10〜20%ほど割安になるようです。

更に、①品質保証、②ナンバープレート保証、③保険の保証、④偽者の排除を徹底することで、”水貨(違法並行輸入車)”との差別化を図ることを謳っています。②のナンバープレートについてですが、テスト地区で認定された17社によるサポート、アドバイスが受けられるとされていますが、上海でのナンバープレートが確保できるかどうかについての保証は読み取ることはできませんでした。④については並行輸入車に貼られているQRコードを読み取ることで、その車が本物であるかどうかをスマートフォーンから確認することが可能であるとのこと。

また、RFID型のアフターサービスカードが付与されており、アリババグループが提携している全国の自動車ディーラーにて、VIP待遇のアフターサービスを受けることができます。ちなみに、アリババグループは50社の主たる自動車メーカーとパートナー契約を結んでおり、1万以上のディーラー、2万ヶ所以上のアフターサービス店舗と提携関係があり全国レベルでのネットワークを持っています。また、ファイナンスについても、アリババグループが提供する金融サービスである”余额宝”を通じてローンの提供なども行うことができます。

alibaba

既に、新車、中古車、自動車部品についてはアリババのECプラットフォーム上で買うことができますが、今回海外からの高級並行輸入車が加わったこと、上海自由貿易区の中で正式に認定されている並行輸入企業との提携、更には既に保有する自動車ディーラーやサービスネットワークなどを通じて、自動車に関するO2Oのメニューが強化されたということになりそうです。この流れは政府の思惑とも完全に合致しています。アメリカからの並行輸入車販売、日本人であっても目利きがいればチャンスがありそうです。

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