中国株乱高下に対する短・中長期対策とは?日本留学経験を持つ唐駿の意見より

 

銭

中国株の乱高下について日本でニュースになったのが先週、その後Facebookでもにわかに評論する内容でウォールが賑やかになりましたが、日本にも留学経験があり、マイクロソフト中国の総裁を勤めたこともある唐駿による分析の中文記事があったのでその内容を要約します。

 

中国株式市場は適正な状態ではない

上海総合指数は7月に入って4,000ポイントから下降し一時は3,500ポイントを割りました。しかし、この1週間で21の証券会社と25の投資信託会社が市場救済法案を打ち出し、1,200億元(2兆4,000億円)が市場に投下され、7月14日の終値は4,000ポイント弱まで戻しました。

この一年で”インターネット+”や”中国製造4.0”などの概念が打ち出され、中国株式市場は狂気の段階を迎えることになりました。”インターネット+”周辺企業であるというだけで、その企業の株式が急騰したのです。結果、PERは100倍、1,000倍になる企業もありました。

このような状態は正常ではなく、市場の負の側面が表面化したということです。

 

対策①:IPOと新株発行の延期

短期的に株式市場を安定化し、価格が下がり続けるトレンドを抑えるためにまずやるべきことは、株式市場をダムに見立てた場合、そこから水を組み上げることを止めることです。具体的にはIPOと新株発行を延期することです。2015年に入って9回目のIPOと、28社の新株発行が控えていますが、それを見越して凍結されるであろう資金は4兆元(80兆円)にも上ると言われています。これらの資金が一気に引き上げられた場合の影響は甚大です。

 

対策②:年金、住宅ファンドからの流動性確保

次に、ダムに水を注ぐことです。その資金源は年金と住宅金融公庫のファンドです。現在中国には3.5兆元(750兆円)の年金ファンドがありますが、理論上はその内1兆元(20兆円)を超える資金を株式市場に投入することが可能です。また、住宅金融公庫には4兆元(80兆円)が積み立てられていますが、約25%の20兆円を市場に投入することが可能です。

 

対策③:株式市場の適正化

3つ目はダムの治水の正常化(市場の適正化)です。現在中国株式市場ではPERが300倍を超える企業が数多く見られ、創業板の平均PERは約150倍です。ちなみにナスダックの平均PERは約20倍です。何の業務もしていない企業の価値が50億元(1,000億円)になるケースもあります。こういった賭博的な対象となっている企業を退出させることです。

 

対策④:株式発行登録制の実施

最後は以前からずっと議論になっているダムの民営化、すなわち”株式発行登録制”の実施です。早ければ2015年下半期からと言われていますが、今まで証券管理監督当局による不透明な上場審査が行われていたものが、民間登録発行企業による透明かつ効率の良い審査に変わることで市場を適正化するという考え方です。

しかし、これを実行した場合、先ほど述べたようないわゆるゴミ企業株の価値は暴落し、その影響を受けるのは投資家になります。中国市場の80%を占めると言われる個人投資家が甚大な影響を受けることが予想されることから、実施については慎重な意見も見られています。

 

編集後記

短期・中長期の対策についてはまだコントロールの余地がありますね。但し、その影響を主に受けるのは市場の80%を占めると言われる個人投資家、すなわち大衆です。大鉈を振るった結果として大衆が被害を受けた場合、中国政府として外交により目線をそらすというやり方をとる可能性もあります。今年は戦後70年の節目、日本との関係に影響を及ぼす可能性があるので、この点については注目すべきことだと感じます。

 

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