アリババが生鮮食品の24時間以内配送サービス開始を発表

 

アリババ生鮮倉庫

注文後24時間以内に生鮮食品を自宅に配送

現在、株価が低迷するアリババグループですが、物流部門が中国の3大都市である北京、上海、広州市において食品コールドチェーン配送センターを建設しています。この物流センターはアリババが48%の株式を握る”菜烏網”が運営し、新鮮な農産品や肉類、その他腐りやすい食品を中継する役割を担います。

 

この物流センターを活用することにより、在宅にしてインターネット上での注文後24時間以内に生鮮食品が届けられます。アリババは2015年末までに24時間以内に配送可能な範囲を50都市まで増やすことを計画しています。

 

 

大都市における消費者のショッピングニーズに応える

菜烏網のシニア物流マネージャーのMaggie Chenによると、中国では80%の果物、野菜が常温物流に載せられており、その内40%が変質しているそうです。

 

コールドチェーン物流に対する要求は、①消費者の食品安全意識が高まったこと、②大都市の消費者は自家用車を持っていなかったり、持っていたとしても渋滞に苦しんでおり、毎週の食材の調達に苦労しているということがあります。

 

輸入食品も含めたインターネットショッピングが広まったことや、新鮮な食品に対する要求の高まりもあり、コールドチェーン物流産業は年平均で25%の速度で成長しており、2017年の市場規模は4,700億元(約10兆円)となることが予想されています。

 

 

京東(JDマート)も含めたライバルとの苛烈な戦い

アリババは、コールドチェーン物流システムの充実により、利益率が低い食品雑貨関連事業の利益率を向上することを狙っています。そのために消費者の食品雑貨配送の需要に応えるだけでなく、京東(JDマート)などのライバルと対抗する必要があります。

 

京東(JDマート)が物流システムに対して大量の資本を投下していることは広く知られています。コールドチェーン物流に注目しているのは京東も同様で、先月生鮮農産品ECサービスを運営する”天天果園(Fruit Day)”に7,000万ドルの出資を完了しています。

 

 

編集後記

ここ数年で中国の物流ネットワークは急速に進化してきています。以前は、生鮮食品の常温物流は当たり前で、ウイグルで加工されたチーズが北京や上海に輸送されてきた際に、原型をとどめていなかった話や、ノルウェー産のアトランティックサーモンが香港から大陸に密輸された後に、氷を敷き詰めた発泡スチロールに詰められた状態で常温で四川省まで輸送されていたというような話は当たり前でした。

 

しかし、インターネットでの注文後24時間での配送サービスというのはなかなか凄い取り組みです。食品なのでロットはどうしても小さくなると思いますが、コールドチェーン物流センターまで、そして物流センターから配送先となる住宅まで、如何に効率的に配送するかというところが鍵となります。

 

アリババは”データ+”という概念を打ち出しており、膨大な会員数と今までのオーダーに関わるビッグデータを分析することを中核競争力とすとしています。ロジスティクスは兵站とも言われますが、システム化することによる効率の最大化がし易い領域ではあります。”データ+物流”という概念で、物流センター投資で京東に遅れをとっているアリババの巻き返しの一手、新しいCEOである張勇(ダニエル・ザング)の下、成果がどう出るか注目されます。

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