1日で1億回再生?!元CCTVアナウンサーが自費で編集した中国大気汚染告発動画

中国で2015年2月28日に、元中央電視台(CCTV)の記者だった柴静さんが、自らの資金(2,000万円と言われています)を投じて作成したドキュメンタリー映像「穹顶之下(碧空の下)」を公開し、物凄い再生回数を集めています(あるメディアでは既に1億回の再生と言われています)。この記録映像は、中国のPM2.5に代表される大気汚染問題に対して正面から切り込み、政府、国有企業、管理監督機関に至るまで、名指しで警告を発しています。その論拠となるデータも、中国科学院、環境保護局、北京大学、精華大学、復旦大学などそうそうたる研究機関、当局の数値が引用されています。それだけでなく、なんと汚染の当事者であろう、中国石化(シノペック)、河北鉄鋼、ユーロ4対応車と言いつつユーロ1レベルの車を販売していた違法業者、環境保護局、更にはなんと国務院発展改革委員会(流石に声が加工されていた)まで、インタビューをした結果が、ほぼすべて実名、画像入りで掲載されています。これは、ものすごく勇気があることです!!正直、驚きました。

ステージ上で涙を見せる柴静

ステージ上で涙を見せる柴静

彼女には子供がいますが、生まれた瞬間に病気があることが分かり、そこから環境問題について取材をするようになったとのこと。彼女は1976年に山西省で生まれ、長沙大学を卒業、湖南ラジオ局で司会を務めた後、1999年にCCTVに入社、「東方時空」という番組の司会として全国的に有名になり、2014年まで勤めて離職しています。

皆さん、中国語は分からないと思いますが、是非一度時間を作って見て下さい。これだけの内容を放送することは物凄い危険があると思います。それは、この作品が非常に良く出来ていることに起因します。映像の作り方、論拠、当事者へのインタビュー、そしてステージ上でのプレゼンテーションと迫力が凄い。自分も、途中でやめようかなと思って見始めたところ、止められなくなりました。時間があれば、日本語字幕を当てるんですが・・・。

   「穹顶之下」完全版(YouTube)

  「穹顶之下」完全版(愛奇芸)

  画像抜粋

「私たちは汚染に対しての経験がとてもとても少ない」

「私たちは汚染に対しての経験がとてもとても少ない」

「この工場の数は中国の排気量規制を超えています」

「この工場の数は中国の排気量規制を超えています」

劣悪な石炭の生産量を表すグラフ

劣悪な石炭の生産量を表すグラフ

左は地域別での石炭使用料、右側はPM2.5の濃度分布

左は地域別での石炭使用料、右側はPM2.5の濃度分布

記録映像の内容と弊社としての解説はこちら

台湾メディアが報じる柴静の「穹頂之下」から見える習近平政権の思惑

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