LINEの数年先を行く中国の微信(wechat)が上海で都市型サービスを開始
2015年4月7日に上海にて”微信(wechat)都市服務(サービス)”が正式にローンチされました。上海地区の微信ユーザーはアップグレードをするだけで、下記の14項目についての都市型サービスを受けることができます。
- 病院での診察券発行手続き
- 電気料金支払い手続き
- 水道料金支払い手続き
- ガス代支払い手続き
- 香港・マカオ通行証発行手続き
- 個人旅行出国手続き
- 台湾通行証発行手続き
- 運転免許証減点記録
- インターネット違法関連手続き
- 車検予約手続き
- 上海の天気
- 図書館での図書検索
- 固定資産税納税関連手続き
- 領収書情報の検査手続き
では、その一部を順番に見ていきましょう。
まず、微信を開いて、”我(my wechat)”→”銭包(my wallet)”をクリック。するとその中に”城市服務(都市サービス)”というメニュー現れています。ちなみに、このメニューの中には”理財通(財テク)”、”彩票(宝くじ)”、”滴滴打車(タクシー配車)”、”京東精選(JDモールECサイト)”などのサービスメニューがラインナップしています。便利ですよね、殆ど何でもできる状態です。
”城市服務”のメニュー画面が上記です。14のサービスがラインナップしています。
上記は”病院受付関連手続き”のメニュー画面ですが。単純に病院の受付番号を予約するだけでなく、医者からのコンサルティングや、微信上での簡易診断などのメニューもあります。
スクロールダウンしていくと、”付近の病院”というメニューが現れます。微信が取得している自分の位置情報をベースに、近い病院が距離の順番でリストアップされます。さらに、その病院の認可レベル、患者数まで表示されます。
そして”医師によるコンサルティング”では、微信が推薦する各専門分野別での医師がポップアップされ、性別、年齢、診療科を選択した上で、微信のメッセージベースで簡易コンサルティングを受けることができます。
更に、上記は電気料金支払い画面です。お客様番号を入力することにより、wallet機能から自宅にいながらにして料金の支払いを行うことができます。
更には上海市にある図書館の蔵書を簡単に検索することもできます。
まだ上海市でしか展開がされていませんが、いずれ全国にサービス範囲が広がっていくのは間違いないと思います。最初に紹介した病院関連のサービスは本当に素晴らしい。中国の病院の待ち時間は日本のそれを更に上回る勢いで、5分の診療で3時間くらいの時間を費やすことはザラですから、本当に便利になります。
如何ですか?LINEで提供されているサービスを軽く凌駕していますね。自分の予想としては、LINE自体も将来的にこのようなサービスラインナップを充実させてくると思いますが、既に世界的に見れば日本が進んでいると思われていた領域でも遅れをとっています。テンセントは”インターネット+”という概念を掲げており、モバイルインターネットにより業界の垣根を超え、今まで不便だったサービスをどんどん便利に変えていくことを2015年から謳っています。
何が言いたいかというと、イノベーションとユーザーの利用シーンの革新は実は日本ではないところから起こり始めているということです。日本人がガラケーにこだわり、社会規範や業界規制でがんじがらめになっている間に、お隣の大陸では”まずはやってみて、後から規制をかける”というやり方を業界トップと(道州制に近く権限を持つ)地方行政機構が主導権を持ってグイグイと進めてきます。それでもまだ日本で消耗しますか(笑)とまでは言いませんが、現場を見に言って、起こっているイノベーションを体感することを是非おすすめします。
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