米中貿易戦争の渦中にいるファーウェイの実力とは

アメリカとの貿易戦争における一つのやり玉として上がった中国華為(Huawei:ファーウェイ)ですが、ある意味その影響力が世界レベルに到達したからこそアメリカから目をつけられたとする見方もあります。では、その実力はどれほどのものなのでしょう。製造業の中長期的な競争力のベースとなる研究開発投資という側面から日中韓の代表的企業の間で比較をしてみました。

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R&D投資1兆円クラブの仲間入りをしたファーウェイ

上記は、華為、ソニー、サムスンの2017年における各企業が定義する決算期で示されている売上高と研究開発費の関係を示したものです。横軸に各企業の売上高を、縦軸に売上高に対する研究開発費率を、そしてバブルの大きさとして研究開発費の額を当てはめています。為替レートは簡易的に2018年12月20日付けのものを使用して、百万円単位として揃えています。

研究開発費額は、サムスンが1兆6,635億円、華為が1兆4,485億円、そしてソニーが4,071億円です。サムスンは2015年に同様の分析をした当時から1兆円を超えており、その圧倒的な水準をキープしています。また、ソニーは当時4,600億円程度をR&Dに費やしていたところから絶対額として減少していることが分かります。

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研究開発比率の成長で圧倒的なファーウェイ

そして、華為ですが、2015年当時7,000億円強であったR&D費用がここに来て約1.4兆円と2倍になっています。研究開発に対して非常にアグレッシブに投資を行い続けていることが分かります。

研究開発費の売上高に占める比率ですが、これは華為が14.9%と、サムスンの7.0%を圧倒しています。ソニーに至っては5.6%に過ぎません。華為は稼ぎの1割5分を将来に投資しているということを意味しています。

サラリーマンに例えると、年収が仮に1,000万円の人がいたとすれば、その内150万円を自己投資に回しているということです。この数値感、なかなか真似できるものではないでしょう。それだけ華為が本気で技術にかけようとしていることが理解できるはずです。

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かつての日本企業を彷彿とさせるファーウェイの姿勢

米中貿易戦争の道具として使われてしまった感のある華為ですが、その理由が透けて見えてきます。これだけの技術投資をしている会社はアメリカにとっては大きな脅威になるということです。

弊社は華為ともビジネス上の取引を行ったこともあります。どの階層のスタッフでも技術に対する姿勢は非常に真摯なものがありました。日本の優れた技術についても精緻にリサーチしていたことを思い出します。

こういった技術に対する飽くなき姿勢は、日本企業が得意としてきたところでもあります。その全てが失われてしまったとは思いませんが、近くて遠い国中国の代表企業ががんばっている姿を見て、気づきを得ていただければ幸いです。

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