中国上海に自動車の並行輸入テスト地区が設立
中国上海市の商務委員会が1/7に、「中国(上海)自由貿易試験区にて自動車の並行輸入試験地区に関する通知」を発表しました。この「通知」で初めて並行輸入試験地区において業務を行う企業における具体的な4つの資格が明らかになりました。
- 5年間以上の自動車小売業務の実績があること
- 直近3年連続で利益を上げていること
- 直近1期において自動車販売額が4億人民元以上であること
- 経営規模にふさわしい整備、サービス、部品供給ネットワークと設備を持っていること
更に、上海自由貿易試験区において自動車ディーラーとして登録している全額出資子会社もしくはマジョリティ出資子会社を保有していることが条件として挙げられています。また、中古車と違法改造車は認められません。
AlibabaのTモールなどで、少額な物流については、小包税の導入など並行輸入を政府的に後押ししている中国ですが、この「通知」により自動車についても並行輸入を促進する形になります。
中国は爆発する12億人の消費パワーを後ろ盾として、グローバルメーカーに対して圧倒的な交渉力をもたせようとしています。並行輸入をプラットフォーム化して促進することにより、中国人の手による小売プラットフォームが整備されていきます。そうなった時に、メーカー側の正規代理店の持つ価値は、そのままでは相対的に低下していきます。中国はそこを狙って動いています。
日本のメーカーも良いモノを作り続けるだけでは、このバイイングパワーによって買い叩かれることになり、利益のポーションが日本から中国側に移動します。そこを見越して戦略を立てる必要があります。今の内から、中国の小売については、正規代理店だけでなく、並行輸入販売ルートについても押さえていく必要があります。