中国アリババが蘇寧の2番目の株主に、迫り来る日本小売への足音
蘇寧を巡る動き
阿里巴巴(アリババ)が蘇寧(スーニン)に対して283億元(約5,660億円)を投資し二番目に大きな株主になったことを発表しました。140億元(約2,800億円)はアリババグループに対して新株を割当たものです。そして、アジアナンバーワンの富豪である王健林CEOが率いる中国最大級デベロッパーである万達集団も現在、蘇寧と協業についての協議に入っていることを明らかにしました。
合一集団の形成
中国の動画メデイアでトップを走る、優酷(Youku)と土豆(Tudou)が合併した優酷土豆集団が、”合一集団”と名前を変えることを発表し、今後3年で100億元(約2,000億円)を投下してネットワークコンテンツの充実を図ることを発表しました。
編集後記
昨年末から年明けにかけて、BAT+小米の動きが活発化し、全人代にかけてインターネット+の概念が出現し、O2Oの流れが加速する中で、リアルな業界の動きも面白かったところが、どうもここ2, 3ヶ月は乱高下する株式市場に企業、投資家、一般の国民が惑わされ、新しいニュースが出にくくなっているなという印象がありましたが、株式市場も一巡し、今後面白い動きが出てくるようになんとなくですが感じます。
蘇寧は以前日本のLAOXを運営する亜土電子工業を買収し、既に日本に参入しています。アリババがその2番目の株主となったことで、中国大陸だけでなく日本も含めた小売のリアルネットワークを手に入れたことになります。蘇寧の動きはウォッチしていませんが、日本のO2Oでの小売に進出する可能性は非常に大きく、そこにモバイルペイメントであるAilpay(支付宝)をぶつけてくるのは必須です。注目すべき投資案件です。
合一集団については、目についたのでM&A案件として一緒に掲載しましたが、中国の動画メディアを押さえることが今後中国消費者を相手にしたい日本企業にとって大きなポイントとなってくることでしょう。いずれにせよ、注目すべき”大きなストーリー”の一つだと思います。