4月5日は中国のお盆の風習”清明節” 墓地が足りない中で横行する闇取引

皆さん、中国の”清明節”をご存知ですか?日本のお盆と同じと考えて頂いて大丈夫です。中国のお盆は春です。2015年の清明節は4月5日ですので、4日の土曜日と6日の月曜日はお休みです。清明節は”掃墓節”とも呼ばれるくらいで、先週末くらいから墓参りのピークを迎えつつあります。北京では、そのお墓についての問題が顕在化してきています。まずは、3月28日に北京の八宝山墓地で撮影された写真をご覧ください。

北京八宝山墓地2015年3月28日の墓参りラッシュ

北京八宝山墓地2015年3月28日の墓参りラッシュ

3月28日の1日だけで八宝山墓地を墓参りに訪れた人はなんと2.8万人に上ったというから驚きです。3月28日は清明節を前にした最後の土曜日で、北京全体で墓参りのピークを迎えたとのことで、北京市の”清明節指揮部(!)”の統計によると、午前10:30までに北京市全体で30.5万人が墓参りに訪れたとのことです。これでも去年に比べて3.2%減少しているそうです。

そして、人数の問題だけでなく、墓地の需給が緊張していることも大きな問題と捉えられており、北京市の争議境界副会長である姜晓刚氏によれば、北京市にある33ヶ所の公的墓地は後50年ほどで埋まってしまうそうです。北京市は既に”経営性公的墓地”の新規建設を停止しており、”生態系墓地”という公園型の墓地に変えていくことを発表しています。

更に、北京市の八宝山墓地の各区域では、規定上墓地の賃貸期間が20年とされている中で、ここ3年が公墓の継続賃貸契約のピークになっているとのことです。7万基あるお墓の内、3万基が満期となっているにも関わらず6,000基のみが継続賃貸契約もしくは移転契約などを結んでいる状態とのこと。中国の墓地は永代使用料にはなっていないということで、このような問題が発生しています。

お金の問題もある仲で、北京市には違法に建設された墓地が10数ヶ所存在しているようです。法律的な保障の無い墓地では、遺骨の紛失などが起こったとしても追跡するすべがありません。このような墓地は”黒墓地”と呼ばれています。その他に、区・県級の民生部門が、鎮などの行政単位における民衆のニーズに答える形で許認可を与えた墓地もあったようですが、違法に市場で販売されたり、運営権を売却されたりしている状態で、まるで住宅売買の様相を呈しているそうです。当局ではこの類いの墓地に対する管理・監督を強化しているそうですが、販売者側は「民生部門の許可をとっている」としてなかなか言うことを聞かないのが現状です。

良いニュースとしては、”グリーンお墓参り”が進んでいることです。3月28日の土曜日に八宝山を訪れたのは2.8万人でしたが、車の数は去年と比べて26.1%下降し、3,400台だったそうです。地下鉄1号線は八宝山駅に通じており、歩いて墓参りをする人が増えたのは良いことですね。北京市全体でも6.4万台だったとのことで31.9%の減少となりました。

清明節

更に中国らしい取り組みがあります。”文明祈祷”です。昨日の八宝山の公的墓地では、お墓の前に備える鮮やかな色の生花や食品、”紙のお金”などが少なくなっていました。紙のお金を燃やす以前からの風習は見られませんでした。ではどのようにして死者を弔っているのでしょうか。八方山の西門の丈夫には、一片が9mのLEDが群集の注目を集めていました。ディスプレイ上には親戚が死者に寄せた祈祷の言葉がスクロールされています。このようにLEDを用いて哀悼の意を示す活動が環境に優しいということで当局側も推進をしているとのことです。

まだあります。火葬問題です。北京市では火葬による空気汚染の問題が深刻化しており、当局の重点研究領域に指定されていました。北京市には12ヶ所の火葬場がありますが、現在ダクトを最新技術で改良しています。これにより、排出基準に合わせられるとのことです。現在、昌平区、順義区での改造は完了し、八宝山の15基の火葬炉も改造にとりかかっており上半期には完了するとのことです。

なかなか大変ですね。
いずれにせよ、皆さん、良いお墓参りができますように。
ちなみにエイプリルフールのネタではありません(笑)。

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