ソニーモバイルが欧州・中国で1,000人のリストラを発表、中国人ソニーファンは自滅と叱咤

SONYの中国の苦しく渋い話をします。分かっていただきたいのは、SONYは中国消費者にとっても、事業者たちにとってもひとつの日本の輝かしい象徴「だった」ということです。今回のリストラについて冷静な開設をするページ、なぜそうなったのかについてを熱く語るファンページ、そしてソニーの歴史についてしっかりとまとめているページ(これは中文)の存在を紹介します。

まず、腾讯科技(QQ, wechatの企業)に属する范晓东の2015年1月28日の報道から紹介します。


1月28日今日、Appleは財務報告を発表し、iPhone出荷台数が過去最高となったことを記録したのと同時に、ソニーモバイルが「再び」大規模なリストラを発表したことは大きな皮肉となりました。

「日本経済新聞」の報道では、ソニーはモバイル部門で再び1,000人のリストらを計画しており、主に欧州と中国がターゲットになっているとのことです。2014年11月、ソニーモバイルは生産計画を下方修正し、大幅なリストラ計画を発表し、中国の従業員からの抗議のデモを引き起こすに至りました。「日本経済新聞」によると、2016年3月までに、ソニーはモバイル部門のスタッフを30%、5,000人削減する計画のようです。

この原稿を起こす段階では、ソニーモバイル中国のオフィシャルサイトはまだ上記の情報を発表していないということを断った上で論評したいと思います。

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ソニーは、スマートフォンを、損失を出しつつけるエレキ事業を復活させる主力のひとつとし続けてきましたが、実際には思うがままにはなりませんでした。

過去2年間、ソニーのモバイル事業は赤字から抜け出すことはできず、シェアも下降し続けました。Xperiaのハイエンドモデルは市場でのパフォーマンスは悪くなかったのですが、ミドルエンドモデルが顧客を惹きつけることができませんでした。IDC、Gartnerの二大統計機関の2015年に発表した数値によると、ソニーは2014年に一度もスマートフォンのベスト5に入ることはできませんでした。

また、マーケットリサーチ機関のTrendForceが直近で発表した報告では、2014年のスマートフォンのグローバル出荷台数が11.7億台、その中でソニーのシェアは3.9%と第8位まで後退、しかも2015年の1月には第10位まで後退してしまったようです。

現在のソニーは、赤字、リストラ、R&D費削減、新製品の発表サイクルは遅く競争力も無い、市場シェアは落ち続けるという、ネガティブスパイラルに陥っています。

ソニーは中国市場を非常に重視してきました。2013年ドイツのベルリンでエレクトロニクスの展示会が行われた際に、それと同期する形でソニーモバイルは中国で新製品発表会を行い、4,999元の「オーディオ・ヴィジュアルスマートフォン」である「Xperia Z1」を発表しました。

しかし、アニマルスピリットに欠けるソニーは、Apple、Samsungや中国メーカーがひしめく中で勝利を収めることができませんでした。2014年10月、ソニーは財務報告を発表しました。損失額は2013年の同期比で6倍にまで拡大していました。11月にには、中国市場にターゲットを絞ったスマートフォンの新製品をリリースしないことを発表しました。

2014年7月、ソニーは2014年(会計)年度のスマートフォンの販売量予測を5,000万台から4,300万台まで下方修正し、9月には2014年度の純損失予測が131億元(2,620億円)に下方修正され、その理由がスマートフォンの販売が不振であると発表しました。


腾讯科技、日本ではテンセントと呼ばれるいわゆるQQやwechatで中国モバイルインターネット市場の雄による記事ですが、なかなか痛烈です。「アニマルスピリットに欠ける」とまで言われてます。それが、ネガティブスパイラルに陥り、結果欧州と合計して1,000人と言われるリストラを行うことで中国の従業員が痛手を被る事態を招いたと分析しています。

さて次に、2014年11月6日に钛媒体に掲載された朝晖の記事、タイトルは「ソニーのスマートフォンはなぜ中国で失敗したのか?」を取り上げます。作者のことを直接には知りませんが、強烈なソニーファンであると確信します。想いがあるからこそ痛烈に書いた、そういう文章です。


(2014年11月6日の記事)昨晩、ソニーモバイル中国は中国地区において大幅なリストラを発表したことに一つの大きな感慨を受けました。Samsungの中国における失速に続き、その他のグローバルブランドが大陸ブランドに対してかつての競争力を持ち得ず、価値を消費者に訴求できなくなってきた状況では、1,000〜2,000元でグローバル商品を買う必要はなく、同時に国産品を買わない理由はないのです。

国産スマートフォンの勢いが猛烈であることは、ソニーの販売が振るわない一つの原因ではあります。しかし、これはソニーモバイルが中国で大規模リストラをするに至った根本的原因ではありません。ソニーの敗因は、ソニー自身が作ったものであり、外部競争環境はそれを加速させたに過ぎません。

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マーケティングの意識が希薄でプロモーションが不十分

Samsungがひとつのフラッグシップのプロモーションプロジェクトに使う費用は、ソニーが1年間に全ての製品に使うプロモーション費用に匹敵します。北京、上海、広州、深センなどの大規模都市を除けば、ソニーモバイル製品の広告を見かけることはありません。更に、多くの都市ではソニーのスマートフォン商品の専用売り場すら無いのです。

これこそがソニーの病巣です。ソニーのフラッグシップはAndroid製品の中でも特に競争力がある、ソニーは過信し続けました。正に「酒香不怕巷子深(良い酒は奥まった路地で売っていてもいい香りがするので広告を出さなくても自然とお客さんが来る)」ということです。しかし今ははSNSの時代です。マーケティングこそが王道です。二流製品であったとしても、マーケティングで少し大げさに伝え続けることで一流の製品に生まれ変わることがあるのです。

もちろん、ソニーは、自らの製品を二流製品と考えることはできないでしょう。しかし、私は以前から使っている最中に欠けている部分を意識するようになりました。その欠点がどこにあるか分かっているにも関わらず、ソニーがそれを改めない、もしくは次世代の製品に持ち越してしまう、そういう風に私の目には見えました。

Samsungが勃興してきた時を思い出して下さい。もし彼らにマーケティング、プロモーションの力がなかったら、Appleと肩を並べるところまで行ったと思いますか?SamsungのプロモーションはiPhoneの弱点を突いたものでした。争点を変えた競争を行い、消費者になぜSamsungが必要であるのかを訴求したのです。ソニーの広告に戻ってみて下さい。技術者の思想に限られ、ハードウェアのスペックを訴え、優れた技術を使っていると訴えています。しかし、これで本当に消費者に訴求するでしょうか?

サービスでソニーの革新的な優位性を訴求できなかった

グローバルのXperiaスマートフォンには、GSM機能以外に、ソニー自身の独自サービスであるMusic Unlimited, Video Unlimitedなどや、PlayStation Mobileが提供する数多くのゲームアプリなどがありました。

しかし、中国ではどうでしょうか?音楽は「多米(Duomi)」や「百度(Baidu)」にコンテンツを任せるとして、Walkmanアプリの中にショートカットとして含まれていた「多米」、「百度」の曲の多くは再生できないという状態で、結局サードパーティのアプリを開く必要がありまた。全く使えませんよね?

動画については「捜狐(Sohu)」の中にソニー専用エリアを設置しましたが、そのUXは酷いものでした。PlayStationについては更に酷く思い出したくもありません。その他のSNSプラットフォーム、通話録音、ソニーアプリなどは良くチョイスされていて、良くできていましたし、希少性もありましたが。

酷いソニー内部のお家騒動

ソニーのお家騒動は、中国の古代宮中活劇の内容に劣りません。以前、ソニーがエリクソンの持ち分を買い戻して以降、ソニーのエレキ部隊とモバイル部隊の中で、マーケット、オペレーション、調達についての融合を進めてきましたが、全く上手くいきませんでした。

Z Ultraから、ソニーのエレキ部隊はそれまで開放されていたスマートフォン市場のチャネルを結合しました。しかし、ソニーのエレキ部隊には、直営店のSony Storeで製品を見せびらかすこと以外に、販売チャネルを運営した経験はなかったのです。大量のロットをソニーのディーラーに押し付け、結果Z1の価格崩壊を招き、一部のディーラーではZ1で無料サービスになっているモバイル電源をスマートフォン本体とは別売りにして本当に僅かなお金を稼いでいたそうです。

また、ソニーモバイルもオペレーターとしての地位を死守したがり、ソニーのエレキ部隊とモバイルとがそれぞれ勝手な行動をとり、「成果は自分のおかげ、失敗は相手の責任」という形で、完全にひとつのファミリーとしては機能しませんでした。

嘘のように高すぎる価格

ソニーのエレキ部隊の接収を受ける前、ソニーモバイルには価格コントロール能力を持っていました。少なくとも1ヶ月間に700元以上の価格下落が起こった場合は数日で調整されていました。安価な製品の大多数は密輸製品でした。

それに加えて現状、ソニーのエレキ部隊には十分な販売チャネルの経営経験がありません。研究開発を続けたスマートフォンを発表した後に、大量の在庫をディーラーに押し付けた結果、ディーラー自らが価格を下げて販売することを招いたのです。高価格なソニー製品を真っ先に手に入れたいソニーファンの心を省みなかったのです。製品販売は一過性のものではありません。高価格で手に入れた製品が1, 2週間で密輸製品並の価格水準になることを誰が望むでしょうか。

「4,999元でフラッグシップモデルを買ったけど、1ヶ月で4,299元、2ヶ月で3,699元まで価格が下がってしまった。こんな機器を使っていても全くもってグレード感を感じることはできないね!」、ソニーファンの心の声はこんな感じだと思います。

リーズナブルではない価格になったXperiaですが、Zシリーズに関してはソニーのスマートフォンの最高級フラッグシップモデルとして、SamsungやHTC、iPhoneと比較しても問題はありません。しかしT、Mシリーズの価格は本当に自滅しています。T2 UltraのChina Mbile版で2,888元、Unicom版で2,399元ですが、同スペックのHTC816が1,999元で買えてしまいます。しかもプロモーションはHTCの方が上。あなたならどちらを買いますか?Xperia M2はKrait400をCPUとして内蔵、他に特徴が無いにも関わらず定価は2,399元です。結果、価格は下落し続けています。

もう明白ですね。ソニーは自ら階段を転げ落ちていった先で、突然国内メーカーとの競争環境が目に入ったのです。定価は高止まり、製品には特徴が無く、プロモーションもいまいち、消費者はそれでもなぜソニーのスマートフォンを買うのでしょうか。「ソニー」の二文字のためでしょうか?ソニーファンの深い信仰のためでしょうか?または、ソニーの◯◯ファンだから?例えばゲーム機やゲームアプリ、それがたとえスマートフォンではなくても・・。ソニーのスマートフォンは生まれてこの方ずっとライバルに完全に先を越されたことは無かったのに!

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平井一夫がソニーのCEOになって以来、ソニーはOne Sony戦略を掲げています。スマートフォンがOne Sonyを支えるコア製品となることに疑いはありません。ソニーはモバイル事業を手放す理由はありません。また、全世界で利用者が最も多い中国市場を手放す理由もありません。ソニーはもう一度競争環境を直視して立ち上がり、自らの全力を投じ、独自の強みを発揮し、ソニーのスマートフォンの価値を消費者に訴えかけるべきです。


どうでしたか?強烈でしょう?
ソニーの中国市場での凋落は、巷で聞かれるような日中関係などが原因では決してないのです。マーケティング・プロモーションをしっかりとやらなかったこと、お家騒動にかまけてチャネルマネジメントができなかったこと、それに尽きます。日系企業で中国で失敗している企業の大半は、この記事の内容に反論はできないはずです。真剣に中国市場で戦う気があるのかどうか、そのための体制とリソースがあるのかどうか、もう一度しっかりと考えてみましょう。

それでは、最後に、中国のソニーファンが作った、ソニーの歴史のページを紹介します。中文ベースですが、図やグラフが豊富にあるので、見た目で理解しやすいと思います。頑張って復活して欲しいと思っているのは日本人だけではないのかもしれませんね。

多图解读索尼的前世今生(超详细)