人口数で中国がナンバーワンの座から転落!果たしてその国はどこ?

中国人民

はい、予想の通りFacebookです。やや釣りタイトルですが、仮にSNSメディアを加えるのであれば、中国は既に人口規模最多の座を受け渡すことを意味しています。Facebookは最近のレポートの中で、全世界で14.4億のMAU(Monthly Active User:毎月に最低1度はアクセスするユニークユーザー数)と発表しており、これが事実なのであれば、”Facebook共和国”は既に中国よりも5,000万人も多い”国家”ということになります。

2013年、インターネットに関するリサーチを行っているPingdomの予測では2016年にFacebookのMAUが中国の人口を超えるというものでしたが、1年前倒しで達成されたことになります。当時のFacobookのMAUの年平均成長率は77%で、2007年に5,800万MAUであったものが、2012年9月には10億MAUを達成しています。

Zack

Facebookのここ3年間の収入は、50.8億ドル、78.7億ドル、124.6億ドルと成長してきており、その内広告収入が占める割合はそれぞれ84%, 88%, 92%です。ちなみに、Googleの2014年の収入は660億ドルで、その内591億ドルが広告収入です。広告収入によるマネタイズに遅れをとったFacebookですが、その成長率はやはり凄いものがあります。

Facebookの目下の狙いはモバイルシフトで、実際、2015年の第一四半期のデータでは、75%のユーザーがモバイルインターネット経由でFacebookにランディングしています。モバイル向けの広告収入が全体に占める割合は既に73%と、2014年の第一四半期と比べて59%も伸びています。ちなみに、最初からモバイルインターネット狙いであったテンセントの微信(wechat)のユーザー数(注釈:MAUではなく恐らく登録ベース)は既にインドの総人口を超えています。シリアの反政府勢力(注釈:恐らくISISなど)はwechatを使って相互の連絡をしているとの話まであるそうです。

編集後記

あまり時間も無かったので深い考察はできていませんが、何度か取り上げているように、インターネットのビジネスの収益は、MAU(Monthly Active User)数と、ARPU(Average Revenue Per User)の乗算で決まります。グローバルでMAUを拡大し、そこから薄く広く広告収入を稼ぐ欧米インターネット企業のモデルと、国内の人口でMAUを確保した上で、そこに対して深掘りのサービスを提供することによるARPUの拡大を目指す中国インターネット企業のモデル。

どちらが勝つのかは分かりませんが、ポイントとしては、最初からいきなり事業を始めた訳ではなく、ユーザー目線で今までできなかったことをできるようにしたり、便利にしたりといった簡単なことからスタートしていることにあると思います。Facebookやwechatはコミュニケーション、Googleは検索、Alibabaは買い物と、卑近なニーズをテクノロジーで解決することの面白さ、ここから全てが始まっています。ともすると、テクノロジーを使って一気にビジネスをという考え方になりがちですが、一歩引いて身近なところに立ち返ることも重要だなと自戒を込めて思います。

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