“JAC”の略称で知られる中国の自動車メーカー江淮汽车が上級管理職の年収を50%カットして一年、親会社に帰属する当期純利益は8億元の赤字と惨憺たる数字になりました。

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中国自動車市場の低迷が理由と說明

深セン市場に上場する江淮汽车(安徽江淮汽车集团股份有限公司)ですが、2018年の財務報告の中で親会社に帰属する当期純利益が7.9億元の赤字になることを発表し、上場以来初となることが確定しました。江淮汽车は理由として、中国の自動車市場がマイナス成長に陥っていることを挙げています。

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環境規制に対する虚偽報告の疑い

江淮汽车は行政当局の排ガス検査基準を満たさない製品について、合格したものとみなして製造・販売していたことについて、北京市生態環境局から2019年4月15日に査問を受けることになっています(現時点で5月16日に延期)。江淮汽车の責任者は「今回、名指しをされた疑いを持たれている車両は、乗用車ではない」とのコメントを発表しています。江淮汽车が排ガスについて虚偽の報告を行ったのはこれが一度目ではなく、2014年にもメディアの報道によって虚偽報告が暴露されています。

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EVでも存在感を示せず

江淮汽车は”商用車から乗用車へ”という戦略で乗用車の販売を強化してきましたが、2017年から江淮汽车の乗用車販売は苦境に立たされ、2018年の販売台数は19.8万台で前年比で11.1%の減少となりました。また、EVにも力を入れていますが、2019年の販売台数は1.1万台程度で、BYDや北汽新能源などのトップ集団とは遥かに水を開けられた第6位と低迷しています。

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苦肉の策の給与カットも功を奏さず

2017年12月気における減収減益結果を受けて、長城汽車の魏建軍董事長と王凪英総裁が行った自己懲罰方式に倣い、江淮汽车も董事クラスと上級管理職に対する年収の一律50%カットを行ってから一年が経過したことになりますが、そこは巨大な装置産業である自動車メーカー、この程度の人件費カットではレピュテーションの低下の影響も含めた販売台数の減少をカバーできることはできなかったようです。

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中国のモータリゼーションは終焉を迎えたのか?

今まで車を持たなかった人が車を購入するモータリゼーションが一段落したことが影響しているのは間違いないと思われます。一方で、現時点で内陸部における中流クラスには強い自動車保有ニーズも見られています。カーリースの活用なども含めて、ビジネスチャンスはありそうです。

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