中国国有企業につとめる若者たちの本音とは?

 

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中国の大型中央系国有企業である”中粮集団(COFCO)”が、傘下の19社に所属する”80後(1980年代生まれ)”と”90後(1990年代生まれ)”に対するアンケート調査、4,720人(各社の従業員の約6%)を行った結果が公表されました。中国人の特質を象徴している部分もあるので紹介します。

 

2000年以降、”80後”、”90後”は従業員の構成要素の中でも最多で、最近ではひとくくりにして”新生代”と呼ばれ、日本語で言えばいわゆる”新人類”と言われおり、一部の中央系国有企業では従業員の50%以上を占めています。

 

 

最大の関心事

最大の関心事

  1. 26.7%が物価と住宅価格
  2. 19.1%が就職と収入
  3. 11.2%がエネルギー問題と環境保護

1位の物価と住宅価格はいかにも中国人らしい関心事です。一般論として中国の若者は家を持っていなければ結婚することができません。そのプレッシャーが現れているということです。

意外なのは3位の環境保護。以前に記事で取り上げた”台湾メディアが報じる柴静の「穹頂之下」から見える習近平政権の思惑”で空気汚染が強烈に指摘されていたように、中国国民の環境に対する意識は確実に上がってきています。

 

収入の外資企業との比較

外資収入比較

  1. 47.2%がどちらでもない
  2. 21.9%が無い
  3. 16.7%が比較的競争力がある
  4. 14.2%がかなり競争力がある

という結果です。以前との比較が分からないですが、比較的ある、もしくはかなりあると答えた人の割合が約31%となっていることを考えると、中央系国有企業の収入面での競争力も相当上がってきていると感覚的には思います。

 

仕事上のプレッシャー

仕事のプレッシャー

  1. 38.1%が経済面においての現実的なプレッシャーがある
  2. 21.7%が常に勉強を怠らず知識をつけていかなければならない
  3. 19.1%が仕事のプレッシャーはとても強く、重圧がある

どこの国でも仕事をするということは大変ですよね。経済、能力向上、任務の重責に晒されている姿が浮かび上がります。

 

成功の概念

成功の概念

  1. 40.6%が高い収入レベル
  2. 39.2%がボスやリーダー、仲間から認められること
  3. 9.6%が専門家になること
  4. 9.2%が職位が上がること
  5. 1.4%が名誉を獲得すること

日本とは大分異なるのではないでしょうか。特徴的なのは職位が上がることを選んだ人が10%に見たないことです。ポストというよりは現実的な収入、専門家になることなどプロ的な要素が高く含まれています。一方で、リーダーや仲間に認められることなど、日本人では高い割合になりそうな部分も出てきています。個人としての能力と組織としての融和のバランスをとっている姿が見て取れます。

 

仕事と生活に対する感覚

ビタースィート

  1. 45.4%がビタースィート(要するに痛みと幸せの同居)
  2. 28.3%が比較的幸せ
  3. 17.1%が普通

良い時もあれば悪い時もあるという感じです。

 

追求する人生の目標

追求する人生の目標

  1. 30.6%が自分がこれだと信じられる事業に全力投球する
  2. 28.2%が仕事を通して自己実現の感覚を得る
  3. 15.3%が正直に誠実に淡々と生きる

1は自分が一生涯捧げることができる事業を興すということで、根っからの商売人である中国人の気質が明確に出ています。一方で30%弱は仕事人として自己実現していきたいという割とコンサバティブな意見もあります。3は中国人というよりは華人の淡々とした態度を示しています。

 

編集後記

以前、”セックス・愛情に対して非常に保守的な中国「90後」、開放的だったのは実は年配層”で、中国の若者世代には意外と保守的、現実的な側面があるということを紹介しましたが。中央系国有企業に努める若者たちの考え方は、以前からの中国人的な部分も見られる一方で、やはり保守的な部分も見え隠れします。

 

経済成長期に既に社会人となっていた今の1960年代生まれ、1970年代生まれと異なり、子供時代は黄金時代だったにも関わらず、大人になってからは経済成長率も安定期に入ってきた彼らの世代として、ある程度現実的に生きていかなければならない背景を現したものだと考えることもできそうです。日本の若者たちはもっともっと大変ですが・・・。

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