中国が規制強化?旧正月の風物詩、花火と爆竹に「環境対応型」が出現、市民の態度に変化が

花火と爆竹、中国の春節(旧正月)と言えば、間違いなくこれです。自分は、ちょうど旧正月期間中に出張先の北京から上海に戻る際、上空から戦争中かと思えるほどにバンバン打ち上がる花火を見ていたものです。中国人の花火、爆竹の鳴らし方と言えば、もうとにかくサイズ、音がデカイのが一番です。規制が緩いので、旧正月期間であれば、日本では到底一般人では上げることができないサイズの打ち上げ花火まで購入して、個人で打ち上げることが可能です。今で言う20万円くらいもする、打ち上げ花火セットをガンガン打ち上げる友人もいました。 もちろん、そこに悪乗りして一緒にガンガン打ち上げる日本人の友人も沢山います。

さて、この風物詩と言える花火ですが、大変なことになりました。北京周辺では、この旧正月の花火の影響で、深刻な大気汚染が発生して社会問題化しました。春過ぎまで青い空を見上げることができないのです。自分の認識では中国人にとっての春節の花火、爆竹は命の次に大切くらいに思っていたのですが、現実は変わってきたようです。新華網の記事を見てみましょう。

 


 花火と爆竹は中国の伝統的な風習だ。年越しで爆竹を鳴らさず、花火も打ち上げないなら、年越しの雰囲気は全く失くなってしまう。

しかし、近年は酷い濃霧が問題になってきた。環境保護部の統計によると、2014年の元宵節(初十五日)期間で、気象条件が悪い場合に花火と爆竹を行った影響で、北京、天津、河北省周辺地区と中西部で深刻な大気汚染が発生した。旧暦の12/31から1月7日にかけて、南昌市では2,000名余りが花火と爆竹で怪我をして入院し、その内、顔などのやけどなど重症の患者が200名余り、緊急手術も260件も行われたと言う。

花火を楽しむ美女、このような絵は空想でしかありません
花火を楽しむ美女、このような絵は空想でしかありません

近頃は、花火と爆竹に対する「禁止令」や「限定実施令」が中央・地方政府から出されるようになった。2014年2月3日、環境保護部は各地方に対して春節時期の花火と爆竹に対する限定実施の要求を発表。2月4日、江西省環境保護庁など5つの部門が連名で、花火と爆竹を実施可能な時間と場所を限定することを発表した。

公安部治安管理局はデータを発表し、現在、中国で花火と爆竹を禁止しているのが38都市、その内、省都級の都市が5つ、地級市レベルが30、県級市で103。更に、時間や場所などを限定している都市が536,その内直轄市が4つ(※すなわち全直轄市)、省都級が19、地級市で111、県級市で402となった。

禁止令、限定令には悩ましい側面もある

爆竹を焚くことについて大衆の考えは交錯している。「禁止令」、「限定令」が出ることは波紋を呼んでいる。

1980年代末から1990年代初頭にかけて、いくつかの都市にて「禁止令」が発表された。大奥の一般大衆には理解されず、支持もされず、こっそり焚いた結果の事故が増加した。ある弁護士によると、「爆竹を止めさせることについて、明確な法的根拠を示せていないため、取り締まりが難しい」とのこと。

市民の要求に答えるため、全国の多くの都市で禁止令を取り消したり、限定令に変更している。北京市では10数年間実施してきた「禁止令」を「限定令」に変更、法律が民衆に譲歩したかたちだ。2005年、全国で106件の関係法規制を実施する都市の内、広州市、深セン市の2都市のみが禁止令を続けている

禁止令と限定令は都市部に置いて拡大し続けると同時に、多くの民衆の賛同も得始めている。環境保護と安全の観点で年を越すという、「新しい認識」が環境保護型の花火として受け入れられ始めている。

2015年初頭、長春市政府は「禁止令」を導入するために市民の意見を取り入れるための活動を実施すると、86%が賛同したという。2015年2月9日、煙台市では第16回人民代表大会の4回目の会議上で、16名の人民代表が「市内中心にて花火・爆竹を禁止する方案」を発表した。

「かつて、旧暦の大晦日から正月2日の午前までは、全ての県級市はノイズと曇り空、花火と爆竹の屑しかなく、どうしようもなかった」、江西省赣州安遠の市民の声だ。今年の「禁止令」については身の回りの人たちの多くが支持しており、しっかりと実行され、綺麗な春節を迎えたいと希望していた。

しかし、民俗学者曰く、暦を祝う文化は漢民族の文化にとって重要な要素であり、急速な経済成長により、民俗文化が徐々に失われていっている中で、この「禁止令」や「限定令」は、「釜の底の薪を抜く」、すなわち熱いものを冷ましてしまうことになると述べている。

春節の花火の残骸、こんなものじゃありません
春節の花火の残骸、こんなものじゃありません

小さな爆竹で政府の行政執行能力が試されている

激しい論争は、民族の文化や習慣に対するひとつの試練のようなものだ。専門家の指摘によれば、年越しの爆竹と花火などは小さい事であって、政府が花火の全面禁止を簡単にできない、このような大きな事を実行することができないということの証明でもある。合理的に考えれば大都市における花火と爆竹の管理を強化するということだろう。

北京市民の張さん曰く、北京市はできるだけ時間と場所を限定することで花火と爆竹を管理しようとしているとのこと。しかし、ここ数年は規制された時間に自宅の目の前で爆竹の物凄い音が聞こえた、誰も管理をしていない、と言う。「場所も多い、土地も広い、花火と爆竹をやってそこを去ってしまえば、どうやって管理すると言うの?」。

江西省の政協委員である陳さんによると、「禁止令」、「限定令」は1枚の紙を掲示板に張っておけば良いというものではなく、管理監督業務の実施と、「社区(街のコミュニティ)」、公安が連携がなければ機能しない」。

彼の話では、新しい花火と爆竹に関する管理条例を早く打ち出すことが必要だそうだ。管理の主体と責任の所在を明確にし、管理制度上に存在する、公安、消防、安監、城管、工商局などが曖昧に管理する状態を打破する必要があると。

「伝統文化風俗は新たな状態に対応する必要がある」と民俗学者は言う。吉林省の民俗学会理事長の施理事長は、花火・爆竹の改良を進めて、環境対応を促進する、もしくは今までの花火と爆竹による形式を改めることが、全面禁止にするよりも遥かに良いと言う。より積極的な措置が実施され、現代社会に合った「新民俗」を導いて欲しい、と。

聞くところによれば、花火・爆竹メーカーは環境保護型の製品の開発を進めているとのこと。江西省の李渡烟花集団(花火メーカー)の候副総経理は、現時点で環境保護型の花火は70〜80%完成しており、今後も継続的に改良を重ねていくと言う。

李渡烟華集団(リンク)

李渡烟華手段の花火、みんな箱でガンガン買います
李渡烟華手段の花火、みんな箱でガンガン買います

専門家によれば、「禁止令」、「限定令」を実施するためには、社会の力をあわせる必要があると。すなわち、行政管理部門の機能強化だけでなく、国民の環境保護意識も重要だ。これができて、初めて花火・爆竹に関する長い論争が終わり、美しい新年を迎えることができるだろう。


編集後記

如何ですか?

想像を超えてますよね?

春節に花火と爆竹を行った結果、深刻な大気汚染が発生するどころか、顔面も含めて重症となり手術も必要な人が数多く出現するということです。更に、そこへの対応として、「環境対応型花火」なるものが開発中であるとのこと。あの、音と煙こそが醍醐味だったはずですが、環境対応となるとそれを失くしてしまうのでしょうか。それで本当に醍醐味を味わうことができるのでしょうか。余計なお世話ですが、心配は尽きません。新年、どうなるでしょうか。現地の友人からの情報を待ちたいと思います。

 

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