最初の10分で斬り込め!中国の友人とビジネスの話をまとめる際のヒント

BEIJING, CHINA - NOVEMBER 10: China's President Xi Jinping (R) shakes hands with Japan's Prime Minister Shinzo Abe, during their meeting at the Great Hall of the People, on the sidelines of the Asia Pacific Economic Cooperation (APEC) meetings, November 10, 2014 in Beijing, China. APEC Economic Leaders' Meetings and APEC summit is being held at Beijing's outskirt Yanqi Lake. (Photo by Kim Kyung-Hoon-Pool/Getty Images)

激動の事業フックで回ってきた中国から日本に帰って来て少しゆっくりできると思いきや、帰国翌日に”浅草おと”にて再会し食事をともにした中国人の老朋友とある案件について盛り上がり、そこでスラスラと3, 4つの事業について一緒に取り組んでいくことが決まりました。ジェットコースターに乗っているようなスピード感ですが、心は熱く、頭はクールに、行動はクイックにやっていこうと思います。

さて、中国人とのビジネスですが、なんでこのスピード感が出るのか、どのようにしたら事業の話に入って、その場である程度の一体感が出せるのかについて書いておきます。

勝負は宴席開始後の10分

日本人は何故か仕事の話について、卑屈であったりとか、変に奥ゆかしかったりして、飲み会や食事の席で仕事の話をすることがあまりありません、愚痴以外は。僕は、中国の友人と会った場合、相手の利益になりそうな、相手が関心を持ちそうな話題を、飲み会、宴席開始後10分以内に切り出します。

この、”10分以内”というのが大事です!

スタート時点での人間のテンションなんて10分くらいの持続性くらいしかありません。これは自分も相手も同様です。相手と対面した時に、時候の挨拶を交わすことで5分くらい簡単に経過してしまいます。残りの5分くらいで一気に相手の実利になりそうなネタで懐に飛び込むことができるか、ここが肝心です。

特に中国の人たちは、飲み会の席や宴席でもビジネスのことを考えていることが普通です。日本人のように愚痴で3時間続けることに意味を感じていません。ですから、開始直後に一気に相手のモチベーションを高めることによって、その席の温度を上げ、相手との距離を縮めるのです。

最も関心がありそうな話題をぶつける

事業を進めていく人間は誰しも、自分にとって最も想い入れがあるビジネスのことを説明しがちです。しかし、そのビジネスが相手にとって実利があるとは限りません。ですから、メインのビジネスが極太1本だけである場合、かなりの賭けになります。その点、僕は色々なパートナーと繋がっていて、様々なビジネスの種を持っているので、その引き出しから相手が興味を持ちそうな、そして実際に”お金の匂い”がするものをまずぶつけます。

もちろん100%上手くいくとは限りません。相手の反応が悪いなと思った時にはすぐにその話題を引っ込めて別のビジネスの話題に変更します。その繰り返しで、相手が”巻き込まれたい”と思っているポイントがどこにあるのか探り、懐にたぐり寄せるのです。

大きなストーリーと小さなストーリーの両方で妥結する

様々なビジネスの種という話をしましたが、中国人のビジネスの進め方は、”夢は大きく”、”現実を見て慎重に”、コトを進めていくのが一般的です。このバランス感覚が非常に良いのです。日本人は、そのどちらかに偏って考える人が多く見られるのとは対照的です。

彼らは”大きなストーリー”を語るのが大好きです。ものすごいユーザーを獲得できたり、今までに全く無かった概念だったり、社会貢献に繋がっていくようなものです。一方で、彼らがコトを進めるやり方は極めて慎重で現実的です。大きな夢を追っかけつつも、現実にはまず種銭を作るために少なくても確実にお金が稼げるビジネスや、社会貢献に繋がらないようなビジネスについても手を出します。

この2つの概念が両立している彼らと対峙する際に、大きな夢の話だけしていても、小さな現実の話だけしていても、最終的には長期的な信頼関係を結ぶことができません。理想論を語りつつ、現実を認識して、そこから理想へどう近づけるのかの具体論についても具体的に提示することで、ビジネスマン、人としての信頼を勝ち取ることができます。

編集後記

以上、いかがでしたか?実はこの話、国籍を問わず、ビジネスマン、人として必要な素養だと思いますが、自分が知る限り中国人は特にこの要素を重要視します。必要なことは、①10分で本質を語り懐に飛び込む勇気、②相手の興味を引き実利になる話をすること、③”大きなストーリー”、”小さなストーリー”の双方で語ることです。

これをやるためには、ある程度の経験が必要です。逆に言えば、練習して失敗から学ぶことができるということです。そして更に重要なこととして、失敗したとしても、”そのトライしている姿は相手に伝わる!”ということです。身の回りに中国人がいなければ、日本人にも試してみて下さい。決して後悔することは無いと思います。

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