過当競争の中国O2O 大学ベンチャーへ襲いかかるアリババ、百度、小米

 

13飲食店O2O

何度もお見せしている小米が発表した2014年小米アップストアでの”飲食O2O”アプリのダウンロード数の伸びです。2014年の第一四半期から第四四半期までで72倍と恐ろしいスピードで成長しています。

 

14出前

その中でも”出前”に絞って見るとその約半分のシェアを”美団”と競い合っているのが”饿了么(お腹すいた?)”というアプリです。さて、この”饿了么”ですが、実は張旭豪という上海交通大学に在学していた男性が1本の電話線を使い、10数人の学生配達員を雇い、大学の中での配達業務を始めたことに端を発します。彼らが獲得した大学構内でのオーダーによる売上の15%を収入とし、それを学生向けの広告宣伝と学生配達員の給料に充てることでビジネスを回していました。

 

”饿了么”のCEOである張旭豪
”饿了么”のCEOである張旭豪

張旭豪率いる”饿了么”は独自に”Napos”というシステムを開発。店側は”饿了么”に対して年間5,000元を支払うことによりこのシステムを利用することができます。お店側は電話で注文を受けなくてもWeb, モバイル上でオーダーが入るのを待つという、いわゆる出前用のO2Oプラットフォームです。”饿了么”と提携関係にある中・小規模の店舗の中で80〜90%がこのシステムを実際に活用することができているそうです。

 

しかし、現在、上述した美団や、後で述べるように百度や小米までもがこの領域に参入、プラットフォームを無料開放しているものも見られる中で、”饿了么”のビジネスも次の段階に入らざるを得ないというところにきています。実際、張旭豪も「参入当初は私たちのようなサービスを提供するアプリは少なく、それぞれの店舗からシステム利用料を徴収する理想的なモデルが描けていました。今後は、規模の拡大を進めて広告などビジネスモデルの転換を図る必要があります」、と述べています。

 

上海交通大学の学生が立ち上げたベンチャー企業としての”饿了么”ですが、既に4回の資金調達を成功させており、4回目の調達金額は8,000万ドルの規模です。この資金がどこに使われるかというとモバイルインターネットの世界ではどこでもそうですが、”顧客を買う”ために使われます。美団や百度などのライバルたちが顧客へのディスカウントサービスを開始し、”饿了么”ももちろん実施していますが彼らライバルと比較して体力が少なく、相対比で60〜70%の割引サービスを行っており、そのコストは300〜400万元(6,000〜8,000万円)にも上るとのこと。

 

”饿了么”を率いる張旭豪は、「私は今、馬雲(ジャック・マー:アリババ)や李彦宏(ロビン・リー:百度)、そして雷軍(レイジュン:小米)と戦っているのです」と言うことですが実際に(巨大過ぎる)ライバルたちにも触れておきます。

 

淘点点:アリババグループ

淘点点

2013年12月20日にアリババグループは正式にモバイル出前サービスへの参入を発表。ジャック・マーは「私が待ちわびていた時期がようやく到来した」と述べています。

 

百度外売:百度グループ

百度

2014年5月20日に参入。ハイ・ミドルエンドのホワイトカラーにユーザーを持つ百度としての出前O2O領域への参入です。”百度地図(Google Mapsの百度版)”を活用し、自分の位置情報に基づいたレコメンデーションを受けられるなどの特徴があります。2014年の第一四半期の財務報告の際に李彦宏は「現在、私たちはO2O領域について、”百度地図”でユーザーを抱え、”百度団購”にて多くの商品を抱えています。この2つの領域を活用することで多くの新しいサービスを創ることができます。例えば出前、映画のチケッティングなどです」と述べており、力を入れていることがよく分かります。

 

我有外売:小米(シャオミ)

小米

2014年9月に小米がこの会社に共同で出資。”我有外売”のCEO林喆によると、彼が小米のレイジュンに”我有外売”のハードウェアとソフトウェアが結合したビジネスモデルを紹介した際に、レイジュンは非常に速くかつ明快に理解をしてくれたそうです。既に”我有外売”は”小米生活(小米が提供するプラットフォーム)”の一つのメニューとして組み込まれており、小米のユーザーの乗り入れが行われています。

 

この構図は、どこかで見たことがありますね?そうです。モバイルタクシーコールサービスでの滴滴と快的とを百度とアリババが保有している構図です。モバイルタクシー業界では両者で98%というシェアにも関わらず合併にまで進みました。O2Oの世界では何よりもアクティブユーザーの数が勝負を決します。そのために、市場の発展期ではどの企業も莫大な広告宣伝費を掛けて顧客に対するディスカウントを行います。言わば、”金で客を買う”ということですが、それが立ち上がったばかりのO2O出前サービス業界でも行われており、更にそこにはアリババ、百度、小米という巨人がいるのですから、”饿了么”の張旭豪CEOとしても相当に大変な状況でしょう。どのサービスが勝ち残るのか、もしくは合従連衡がどう進むのか、既に過当競争に入ったと言われている中国のO2O業界を占う試金石になるでしょう。

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